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あの、くそったれが!

「おいコラ変態。」
え?今のは空耳でしょうか?

「聞いて下さいよ。変態」

うん。やっぱり空耳なんかじゃなかったんですね?

「……。」
「シカトですか?変態」
「……アタシよりは君の方があってるんじゃないっすかね?その呼び名。」
「否。それは無いっすよ。絶対」

腕を組みながら偉そうに仁王立ちをした目の前の部下を睨んでみたが、フン。と鼻を鳴らしてサラリ。と簡単に暴言を吐かれた。
決してその瞳が据わっていて怖いだとかと言う訳では無いが、無視を決めて逆ギレした目の前の部下程、質の悪い物は無いので、渋々、研究をしていた手を止めてかけていた眼鏡を外し聞く耳を立てた。

「…なんすか?」
「伝令を無視しないで下さいよ。」
「は?」
「伝令蝶。来なかったとは言わせませんよ?」

ニマリ。とこちらの背中が栗立つぐらいに胡散臭く優しい笑みを向けられた時。
あ。と思った。
そういえば…。記憶の片隅で黒の羽がパタパタと揺らめいた。
嫌な汗が額を伝う感覚に引きつった笑みが浮かぶ。

「そういえば…」
「あははー。やっぱり?やっぱり無視してました?」
「嫌、その…あ、阿近君?落ち…、ついて?」
「もうやだなあ。局長☆おちゃめさんなんだから☆」

うん。素晴らしく無表情の上。
素晴らしく棒読みが此方にとっては恐怖ですよん☆(泣)
不吉なオーラ(&バキバキと指鳴らし)が漂う部屋。
笑っているのに瞳が笑っていない暴君から発せられた次の言葉に再び、体全体から血の気が引いた。

「山本総隊長からの呼び出しくらってますよ。あんた、又何かした?」

一番隊総隊長からの直々の呼び出し。
威圧感ばりばりの老人の顔が浮かんで。
何がバレたんだ?!としか頭に浮かんで来なかった。
部屋を飛び出す瞬間、部下の卑屈に笑う顔が見えて。
くそったれ!早く用件は言いなさいっ!と叫びたかったが。後が怖いので、止む終えずその暴言は喉元で止めておいた。



(全く、せちがらいな世の中だよ。)




あきゅろす。
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