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「なんだよ……これっ」

息が止まるんじゃないかってくらい驚いて、頭の中が真っ白け。混乱するってきっとこう言う事なんだろうな、だなんて頭の片隅で思った。
さて…どうしたものか…


pm22:22分の黙祷


考えた結果、この体ではどう足掻いたって家に帰る事が出来ないと思ったので、不本意ではあるが浦原商店までの道のりを走っている。
今日に限ってルキアと別行動がいけなかった。
突然現れた虚に隙を見せて代行証を弾かれるわ攻撃されるわそして…こんな体になっちまうわで…

「最低っ」

はぁはぁと息が荒くなる。
現在時刻、22時ちょっと。
街灯だけが頼りではあるが、如何せん体が一回りも二回りも小さくなったので頭で考えてる歩幅と体の歩幅が合わなくて何回もつまずく。
多分12歳くらいの身長、手の平、足のサイズ。
これまた可笑しい事に体がちっちゃくなっても死覇装は変わらないって……どんなファンタジーだよ。
なんとか自力で虚を倒しても何も事態が変わって無いのではお話にもならない。
まあ、人目に付かないって事に関しては助かったが…
このまま体に戻ってもどうなるのかが怖かったので、腹は立つがあの男に頼るしか成す術が無かった。

「ぜってー…笑われるっ」

はぁはぁ、と息が荒くなる一方で瞬歩を使おうにも使えないこの状況に対しても苛立ちを覚える。
だから、目の前から人が歩いて来ても何故かビクリとする…
人間、なにか欠点があるとこうも気弱になるんだな…って思ったら情けなくて目頭も熱くなってくるし。

(だめだっ弱気になるな、一護!)

等と自分に渇をいれて通行人の横を通り抜け様とした時。
ぱさりと何が落ちる音に反応して足を止めた。
きっと仕事帰りのOLか何かだろう、落としたパスケースに気付かない女の人にうっかり声をかけてしまった。(余程混乱してたんだろう…普通の人間には見えないって言うのに…)

「あ、あの!落としましたよ?」

静かな住宅街に声だけが妙に響いて、そこで自分が今、死神姿だって思い出し恥ずかしくなった。
しかし、羞恥心を感じているのも一瞬。
背筋がゾワリと唸って、しまった。と思った時には遅すぎた。
ピタリと歩みを止めた女の人は振り向きもせず、ゆっくりとした動作で後ろ向きのまま、こちらに近付いて来る。
カツン、カツン、カツン。
ヒールが地面を蹴る音が凄く不気味、夜の色と同じ女の長い長い髪がゆらゆらと揺れる様にまた、背中が唸った。

やばい…。
あちらの住人にはくれぐれも気を付けて、彼らは幽霊や虚より幾分厄介な存在ですから。
今更ながら浦原が言っていた台詞を理解した。
これは…生理的に無理!
初めて感じた恐怖に膝が笑っていたけど、無理に動かして女から離れた。
走って走って、あの角を曲がれば浦原商店に近付く。

「つっ!」

肝心な所でこけた。この時ばかりは死覇装を恨む。すんげー動きづらい!
カツン、カツン、カツン、
近付いてくるあの音が鼓膜を直接刺激する。
怖くて怖くて、足が言うことを聞かない。
どうしたら良い?体が小さくなった為に斬月も消えてしまった。対処法が分からない。
カツン、カツン、カツン
また響く音に目を瞑って耳を強く押さえた。

「塞」

フワリと、花の香りがしたと同時に聞こえた声。
誰か分かっていたけど、恐る恐る目を開けばそこには何時もと変わらない浦原の姿。この時ばかりはうっかり涙が出そうになった。(意地でも涙は引っ込めたけど)

「おやおや、不穏な気配を感じて外出してみれば……どうしちゃったの?ミニマムになっちゃって」
「ううう、うっさい!」
「あれだね、君って凄く面白い体験ばかりしてるよね?」

小説書けば?売れるんじゃない?等と暢気に笑って頭を撫でて来る。普段の子供扱いが更に悪くなった事に腹を立てて怒鳴ろうとしたけど、あの音が気になって浦原が張った結界に目をやれば、見るな。と低い声で言われ、目を塞がれる。

「君が招いちゃったら結界の意味がない」
「はっ?招く…って?」
「とりあえず、家にいらっしゃい。君もそのつもりだったのでしょう?」

生暖かい風が浦原の声を彩る様にして吹く。
自分の小さな小さな手の平を眺めてたら、また泣きそうになったので素直に頷いて差し出された大きい手を取った。
カツン、カツン、ガツ、ガツ
後ろで結界にぶち当たるにも進もうとする嫌な音がしたけど、繋がった手を強く握ったら優しく握り返してくれたので幾分か心が楽になった。

















とうりゃんせ、とうりゃんせ、懐かしい歌が聴こえる


四萬打お礼小説

いや…はやorz
なんと言って良いかっ!真面目に感激で御座います!こんな亀並更新サイトがよ、四萬打!嬉しすぎて涙がうっかり出ますよ。うん。
今回はホラーに挑戦。(夏だから?)と言うかぶっちゃけショタ一護が書きたくなった管理人の自己満足によるお礼小説でごわす。
体は子供!心は青年!(未成年だが)またまた阿呆なお礼小説になると思いますがちょっとばかしお付き合い下さいorz

四萬打感謝です!


hyena>>meru




あきゅろす。
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