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act.太陽(あなた)


眩しいだけなら其処らの街灯でも出来る芸当。


護廷十三番隊隊長黒崎一護は外見、普通の青年である。
否、外見は人で言う所の15〜6歳にしか見えないから少年と言った方がしっくりくるだろう。

院生をスムーズに卒業し、隊員テストにも難無く合格。
実技でも類を見ない素晴らしさ。
頭の回転が早く、それ以上に体が思考より先に動いていると言っても過言ではない戦い様は、平の下っぱでありながらも隊長各の目に止まるぐらいの才能の持ち主であった。

平均男性の身長にはまだ下回った背丈だが、その小さいながらにも信念を貫き通そうとする真っ直ぐな眼差しに本来よりも彼自信を大きく見せてしまうから不思議だ。

だが、その実技や能力云々を差し引いても人々の目を惹いて止まないのは、彼自信が産まれ落ちたその時から持っている。

太陽の様に眩しい色彩だろうか?
朝王者の星の様に光輝くその色彩に、目を奪われなかった者等、一人として居なかったであろう。

敵、味方関係無く目を奪う眩い程の橙。
信念を曲げない真っ直ぐで強い眼。
強さと優しさがこもった暖かい掌。
時折、年相応に笑う眩しい笑み。

太陽とはもしかしたらこう言う星なのかもしれない。と誰かが少年に向けて囁いた言葉が今でも変わり無く使われていた。

唯一、無二の星。
あの星無くて、全ては存在すらしなかった必要不可欠な光。
それに惹かれずにどうする?
皆が皆、彼を愛していたし、稀に良からぬ目で見つめる輩も居た。

それが立て続けに起こってしまっては元も子も無い話であって(しかも信用できる位置に居る副隊長に)。
流石の一護も途方に暮れ、危うく男性恐怖症になる一歩手前。

でも、一護は知らない。
自分の魅力の全てを、光の眩しさを。
その目で見た試しが無いのだから。

「はぁ…」

今日もまた、太陽によって吐かれた溜め息は、小春の麗らかな風に乗って、空高く登っていった。




(太陽は直に見た事が無いのだ。その目を潰される程の強烈な光を。)




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