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辺りにはエロ雑誌の数々。雪崩を起こし見開かれたページにはなんとも直視し辛い裸体が描写されている。
ハ、ハッ。荒げた息、泳いだ一護の視線を戻す為に浦原は下から強く突き上げる。

「アっ」

座位にて交わるのは苦手だ。
自重を支えきれなくて常より深い位置で浦原の熱を感じ、感度が倍になり最終的に何が何だか分らなくなってしまうからだ。浦原の肩に手を置き、縋りながら突き上げる熱に容赦無く翻弄される。

「ふ、っか、いっ」

突き上げるリズムに合わせて言葉を成す。含み笑いのまま息を荒げる浦原はなんだか余裕っぽく見えるから一護はムっとして肩へと噛み付いた。
律動に合わせて動く足は畳を摺り、肌を若干ではあるが傷つける。剥ぎ取られたスウェットは雑誌上に放り投げられ、脱がされたTシャツは首に引っかかり、客観的に見れば凄く間抜けだろう。時々肌に触れる布地が邪魔で一護は眉間に皺を寄せて浦原を睨んだ。

「も、ねが…、早くッ」

さすがエロ小説書き。マニアックプレイがお好きなダーリンはご丁寧にも勃起した一護の性器の付け根を紐で縛っている。イきたくてもイけない状況に涙が出ては懇願を吐き出す。本当はもの凄い形相悪く睨みたいってのに。

「イきたい?」

零れた涙を舐め取る舌先は意外に熱くてざらついている。猫みたいな舌だ。

「うん、うんっ。イ、きっ。た…い、のっ」

頭の中は熱を発したい一心で溢れかえっている。イキたいイキたいイクイクイクッ。熱だけが、身体中を凄い速さで循環して脳みそがふやけてしまいそうな所まで来ていた。熱を放ちたいのに放てない辛さを、同じ男なら知っている癖に。浦原に対しての苛立ちプラス突き上げられる気持ちよさが混ざり合い、もう全てを放棄してしまいたい。
腰を支える浦原の手が移動して内股へと触れる。
ビクリと戦慄いた身体は解放される期待で一層感度を良くさせた。

「凄い、っ…ね。ギチギチだ……ハハ、辛い?」

当たり前だろう!叫びたいのに口から出る声は、音は、甘く媚びていた。
どうしたら浦原の余裕を引き裂く事が出来るだろう。頭の中に媚と言う字が浮かび上がるが頭を振って落とした。お前、マジで見てろよ。蕩けた琥珀色が一瞬だけ光る。それを、浦原は見逃した。

「な、ァ、あっ。ら原……うんっ。」
「ん?っ、なんス、か?」

今にも泣き出しそうな一護にキスをしながら小首を傾げて笑う。

「喜助、…さん。…ぁっ!や、お…っきくすんなぁ!!」

耳に唇を寄せて名前を囁けば中で更に膨れ上がった浦原の熱に目が眩んだ。低い声で唸って浦原は律動を止める。

「ちょ、っと!それは反則、…って、あっ!いち、ごさん!」

普段なら呼ばない名前を囁けば浦原は弱い、と言うのを極最近知った。本人曰くギャップ萌えらしい。わけわからん。
それに対し金色が緩んだところで一護は浦原の身体を倒し、綺麗に割れた腹に手を置いて思いっきり腰を振った。

「い、ちごさん…っ、ハ、っ」

貫かれているのは一護の筈なのに、慣らされた行為の中で習得した腰使いに浦原はイニシアチブを奪われ、一護の腕に縋った。
ハ、息を短く吐いて更に腰を回す。
ぐりゅ、って鳴ったりぶちゅって鳴ったり。卑猥な水音と荒い息遣いと淫らな声が室内に充満する。

「な、…あ、っこれ、これ…外してぇ、?」
「う、…っ、」

意図してキュウっと中に埋め込んだ浦原の性器を締め付けるとそのまま停止して自身と同じ苦痛を味あわせた。途端、浦原の瞳に涙の膜が貼られたのを見て一護は勝気に笑む。
生意気にも笑んだ琥珀色を見て浦原は震えた指先をどうにか動かしては性器の根っこを縛る紐を解き始めた。
しゅるりとゆっくり、焦らす様に解かれる際に今まで感じた事のなかった熱が一護を襲う。
巡っていた血が一旦停止し、開ききる前の出口に向かって一斉に動き始めた。ざわりと下肢が騒ぐ。

「あ!?ちょ、っとまっ、アアアっ」

咄嗟に浦原の手に手を重ねたが時既に遅し。
まだ動いてもいない筈なのに一護は身体を大きく震わせて熱を放った。
浦原の腹に、胸元に、鎖骨に首に、そして頬に飛び散った精液の残骸がべたりと付着する。勢い良く飛び散った頬の精液を指で触れて浦原は呆けた顔から一気にあくどい笑みを浮かべて身を起こした。

「いーちごさん」

やっとの思いで吐き出した熱。その余韻が余りにも酷かった為、一護の荒げた息は未だ収まる兆しを見せない。
辛そうに息を吐き出し、快楽の余韻でとろんと蕩けた琥珀色が浦原を映し出してはアと鳴いた。イったばかりの一護の身体は最早、少しの振動だけでも敏感に快楽を察知する。
浦原は腰を小刻みに動かし始めた。

「も、ゃだ…ってば…、ふうっ」

浦原の頭に腕を回し、髪を梳き乱しながら懇願する。

「僕はまだイってないの、に?」
「俺、…おれ、イったば、っかなの、にぃッ。ヤだあッ!」

感じやすくなってグチャグチャになっちゃうもんね。既に脳みそがふにゃふにゃに蕩けきった一護の耳元に唇を寄せて囁けばガツンと頭突きされ、眩暈がしたが負けじと笑みを絶やさずに律動を再開した。
泣き喚きながらも最終的にはイイと鳴いた一護に深く口付けて浦原も熱を解き放つ。


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