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浦原は吐き出した息が凄く熱いのを感じ、ハ、と短く吐き出した後は片手で目を押さえた。
小刻みに痙攣する身体全体から一気に力が抜け、緩い倦怠が神経を蝕み、まどろみの中の心地好さを実感する。ああ、やっぱり気持ち良い。潤んだグリーンアイは下肢を見下ろし、揺れ動くオレンジ色を焦点の合わなくなった瞳で見つめる。
ぷちゅ、と口元から鳴る音と、ちゅるりと吸い上げる音が鼓膜へと響き、そして心中を深く貫いた。
精を吐き出し萎えた性器を口元からずるりと抜き出す。一滴も零さぬように口内へと精液を含んでは嚥下する様がとても異様で、そして美しかった。

「…美味しかったですか?」

聞くのはなんとも、安っぽいアドルトビデオを連想させるが。如何せん、彼にとってはご馳走となるタンパク質だ。
口元から垂れた精液を指先で拭い、それも舐め取る。その仕草にさえも十分に淫靡さが含まれていて思わずア、と喉が呻いた。

「美味いわけあるか。苦い」
「…ちょっと…ここは美味しかったって微笑むところでしょうが」

口淫している最中は蕩けた眼差しで必死に舐めて吸い上げていたと言うのに。今の一護の表情は苦虫でも噛み締めたかの様に顰められている。
少しだけ不機嫌な眼差しを受け止めて、肩肘をつき上体を起こした。
ギシリとスプリングが鳴る。カーテンの向こう側は既に明るく、隙間から忍び込んだ太陽の光りがとても背徳的に映り一護の羽にも光りをあてた。

「ソレ、しまって」
「ん?」

向かい合う形で腰を引き寄せ、こめかみにキスを贈れば発せられる声はとろんと蕩けた。
なんて、声だろうか。また、ゾクリと下肢が震えて自身の欲望が大きく膨らむのを体感する。

「羽。邪魔でしょう」
「邪魔言うな!立派な象徴なんだぞコレ!」

背中へと回された腕、浦原の発言を咎める様に尖った爪先が肌を傷つける。

「あー。ハイハイごめんね。立派なカッコイイ羽っすもんねえ」
「お前!馬鹿にしてんのかよ!」

全く、…飢えてるんじゃなかったのか。ひっそりと内心で悪態を吐く。
きっと先程の奉仕によって得た精液で少しは満たされたのだろう。悪態に調子を取り戻しつつある一護を宥める為に背中を撫でる。こめかみへのキスは忘れずに。強い愛撫よりもくすぐったい快楽に滅法弱いこのサキュヴァスは案の定、軽い口付けに熱っぽい声を出した。
羽の間、肩甲骨の間を人差し指でなぞる。流れる所業で持って腰辺りまで指先を下げ、なぞった。瞬間、ざわりと背筋が栗立って一護は「んっ、」と仰け反る。
臀部の割れ目少し上、そこから覗き出た尻尾の周りを円を描く様にして撫でれば、ああんと容易く鳴いた。

「ここ、凄く弱いんだね」

耳元に声と吐息を混ぜて囁く。

「もしかして、尻尾が弱い?触って欲しい?弄って欲しい?いっぱい、苛めて欲しい?」

震え上がった尻尾を指先で挟んで緩やかに先端まで擦り上げる。

「ひあああ」

ぶるぶる震えた身体。摺り寄せてくる腰、浦原の腹にあたった性器は既にそそり勃っており、さっきから浦原の腹を濡らし汚していた。
擦り付けるのが気持ちいいのか、無意識か。未だ尻尾しか弄っていないと言うのに、一護は勃ちあがる性器を擦り付けてより強い快楽を得ようと腰を動かす。

「へえ…結構長いんだ。……」

先端は三角になっていて、その腹をなぞればまたピクリと腰が戦慄く。
十分な長さの尻尾を一護の脇腹辺りから引き寄せて口元へと誘い、そして口内へ含んだ。

「あっ!」
「気持ちいい?」

先程施された口淫を真似て舐る。
尖った先端から舌を這わせ、キャンディを舐める用量で舌先を這わし舐めて噛む。唾液に塗れた先端はテラテラと黒く光る。とても卑猥で目に毒。

「フ、ッ、ぁぁっ!…」
「ね。気持い良いの?言って」
「…ゃぁ…ッ、も、ち……あん、あ!…きもち、イイよぉ…」

懇願する前提で流した涙が頬を汚し、腹に擦り付ける性器からはボトボトと先走りが垂れる。耐え切れなくなったのか、浦原の頭を抱き、唇に胸の突起を擦り付け始めた。舐めて、と言っているのだろう。

「こっちも?」
「ん、んんっな、舐めて。…おねが、吸って、かん、でっ、ァア、!な、舐めてぇ…っ」

堪えきれない嗚咽と共に零れ落ちた涙の雫が浦原の口端へと冷ややかな感触を落とす。透明な雫を舐めてニヒルに笑って見せれば琥珀色がグラリと蕩け始めた。
舌を伸ばしてベロリと舐める。ざらついた感触が肌を伝って神経を刺激し、突起が立ち上がる。尻尾にまでも届く快楽が一護の本能を内側から燻る。
あ、あ、と鳴く声も甘く、嚥下しきれなかった唾液が垂れ落ちる前に舐め取ってそのまま唇を塞ぎ深くまで堪能する。
ぐちゃりと水音が成すまで舌を絡め、胸の突起を指先で弄り押し、引っ掻く。
喉奥でくぐもった呼吸音が浦原の口内を侵し、絡まった舌先を翻弄した。酷く強い快楽がお互いの理性を徐々に崩す。そんなセックス。

「うら、はらっ、浦原っ!も、こっちも…弄って…ねが……イジメテ」

胸の突起を弄る浦原の手を取って後方へと導く。潤んだ琥珀色はかなり良い具合に出来上がっていて、浦原に悪態を吐く一護の面影はもうどこにも無かった。
震えだした手の平が浦原の手を導いた先の秘部。尻尾が生えたその真下は身体のどこよりも格別に熱く、安易に浦原の指を受け入れた。侵入した指を迎えたのは籠った熱のあつさと、ぐちゅりと鳴る水音。

「凄い…まだ触ってもないのにこんなに、…濡れてる」
「んんんっ、もっと、奥っ」
「こう?」
「っああ!」

埋め込んだ中指をやや乱暴に奥へと進めた。奥深くにある前立腺を押せば溜まらないと一護は鳴く。
人差し指も埋め、二本の指先で中を弄りながら唇へと噛み付き、荒々しい口付けを強要する。理性がぶっ飛んだ浦原はとても悪魔的な行為を成す。人の癖に、イジワルがとても上手。鬼畜にも似た所業がより強い快楽を引き起こすので一護は浦原の事が大好きでたまらないのだ。ここまで、理想的な、それでいて圧倒的な快楽を味わった事が無い。浦原以外の人間に、感じた事が無い。


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