あの時目を凝らしていたら、ぬくもりの先に何が見えたと言うのでしょうか。
※其の参「結ばれぬ思いを互いに紡ぎあった僕たちに、神様の嗤った声が聞こえた。」お唐視点
細身の刀一本で、美月屋さんはあたしを助けに来た。
太刀筋の鮮やかさ、動きのそつなさ。
誰一人傷つけず、峰打ちのみで戦うという芸当。
家人達を遥かに凌ぐだろうその力に、あたしはあの人の素性を疑った。
「…一つ質問がある。お主の名は」
もしあの時、あたしが気づいていれば、全ては違っていたかもしれないのに。
あの時目を凝らしていたら、ぬくもりの先に何が見えたと言うのでしょうか。
(目を逸らした時、運命が決まった)
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