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「あの街……全く知らない人ばかり、ですが…」
「大丈夫!フィデルはね、あの街のみんなに好かれてるから!」
「……あぁ…遺民街、…そう、でしたね」
ベゾンダの視線を受け、微かに困ったような笑みを浮かべたフィデル。ドライが腕を引くと、ベゾンダはつられてそのまま外へ出た。
「そうね…。じゃあ、行ってみましょう。レーゲン」



「フィデル様!」
「フィデル様、よくぞいらっしゃいました」
「お久しぶりです、フィデル様…!」
遺民街の住人達が、フィデルの姿を見つけるなり駆け寄ってくる様子を見て、ベゾンダはこっそり目を丸くしていた。
「……本当に、好かれているのね」
「すごいでしょ」
どこか自慢げに言ったドライは、何人か子供の姿を見つけるとパッと表情を明るくした。
「あの子達、この間一緒に遊んだんだ!おーい!」
「あ、フィデルさま!それに、えっと…」
「レーゲンさまだよ!」
「あ、そうそう!レーゲンさま!」
「もう…だからレーゲンでいいってばぁ!」
子供の輪に入り、幼い笑顔を見せるドライ。ベゾンダはその様子を眺めて、嬉しそうに目を細めた。
「フィデル様。本日は、また…」
「ええ。レーゲン様が、ここを訪れたいと」
「…そちらの方は?」
住人の一人が、ベゾンダを見て尋ねる。フィデルは彼女の方を振り返り、前に出るよう促した。





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