[携帯モード] [URL送信]
31



「ん、ぁ……そんな、ぁ」
「傷口があると、浸透するのは早そうだな」
わざとらしくそう尋ねたケーニッヒ。みるみる頬が赤く染まり、フィデルは羞恥と快感に目を瞑った。
「痛みなど忘れられる官能だ。本当は尋問に使うつもりだったが、図らずも良い効果を得た」
「ん、あ、ぁ……ひ、ぁっ…ケーニッヒ、様……」
「我慢は毒だな……相手さえ吐けば、悪いようにはしない」
その言葉に、冷や汗をかく。どうやらケーニッヒは、自分が誰かと関係を持ったと、勘違いをしているらしかった。
「……ち、違うのです…ケーニッヒ様、これ、は…あ、っん、…あぁ!」
「違う?不貞の次は託言か。さすがに私も赦せないぞ」
「い……あ、ぁ…私、は……ふ、う……ん…く、好んで、あッ…ふ、不貞など、んぅ…あ…!」
「………」
ふと、ケーニッヒの脳裏に予感がよぎる。確かにフィデルの性格を鑑みれば、進んで不貞を犯すようなことは考え難い。とすれば、つまり、好まざる不貞。
「……まさかとは思うが、襲われたと?」
「………ん、っ……あ……」
返事の代わりに、押し殺した嬌声。別の羞恥に顔を逸らしたフィデルに、ケーニッヒは不機嫌そうに眉を顰めた。
「私がその輩を罰することを怖れ、口を割らない、と」
ぐち、と自身が深く挿し入れられる。微かな痛みと激しい快楽が綯い交ぜになり、フィデルの目から生理的な涙が溢れた。
「………お前は…馬鹿な奴だ」
溜め息混じりに腰を押し出せば、フィデルは甲高い声をあげて果てた。





[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!