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焼け焦げた肉と、腐ったものの臭い。
赤と黒に染まる視界。
「…………」
体はずっしりと重く。
傷は激しく痛む。
「…………ああ……」
業火に包まれた王城。
折り重なる屍の中。
「………やっと」
彼は、虚空へと手を伸ばす。
「…………やっと、あえるんだね」
紅く染まった白髪の下、男は安らかな微笑を湛え息を引き取った。
---彼が見せた笑顔の理由は、誰も知らない。
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