[携帯モード] [URL送信]
12



暫く同じ体勢のまま重なり合っていた二人。動き出したのは、ケーニッヒの方からだった。
「…ご苦労。今日は初めての夜伽、楽しませてもらった」
「お褒めに与り、光栄です」
無機質な声で返したフィデルが、寝台を抜けようとして腕を引かれる。
「何処へ行く気だ」
「…本日の任は終了では?」
「枕を共にするのが夜伽の仕事だ。一夜を明かすまで居るのが道理だろう」
「……畏まりました」
そのまま、ケーニッヒの隣に収まる。目を閉じれば、今までにない疲労感にフィデルはことんと眠りについた。





[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!