９
「ッ…ん、んんっ…は、ァ…あぁ、っ…」
「慣れてきたか」
あちこちを刺激する指に、フィデルの声は次第に大きくなっていく。ケーニッヒが後孔から指を引き抜けば、一際甲高い声があがった。
「もう挿れるぞ」
「っ…あ、…」
改めて告げられた現実に、フィデルの瞳に恐怖の色が戻る。手早く服を脱いだケーニッヒが、既に屹立している自身を解した後孔へとあてがった。
「っい…ひ、ぃッ」
滑りに導かれるまま、ケーニッヒが中へ進入する。押し入る衝撃に、フィデルはシーツを掴みながら悲鳴を零した。
「いっ、あ、んあ…ぁあっ、う…ふ、ぅああ…！」
無言のまま、自身を抜き差しするケーニッヒ。動きを早めながら、肩を掴んでいた手に力を入れる。
「く、ッ…!!」
軽く背を反らし、ぶるりと震えて果てる。長く息を吐いたケーニッヒは、そのままフィデルに折り重なるようにのしかかった。見れば、まだ達していないらしいフィデルは上気したまま必死に息を整えていた。
「…ふ…どうだったのだ？初めては」
「……く、ぅ…っ…」
眉を狭めたままにフィデルから答えが返ってこないのを認めると、ケーニッヒはその腰へ手を回した。
「足りないようだな…」
体を起こし、此方を向かせると髪を掴んで股の間へ導く。思わず抵抗するフィデルの、腕を捻りあげた。
「うぁああ、っあぁ!!」
「命令だぞ？フィデル」
ピク、とフィデルの肩が跳ねる。そして、恐々口を開きゆっくりとケーニッヒを咥え込んだ。
「…そうだ。舐めるように舌を使え」
躊躇いがちに口を動かす。緩い快楽に焦れたケーニッヒは、フィデルの頭を両手で押さえると腰を動かした。
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