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「あああぁあ゛あぁあ゛!!!!」

絶叫と共に跳ね起きるタンナ。体の震えは止まらず、視界が歪む。

「…ぁ……ま、また………」

吐き気が、目眩が襲い来る。あの声が、聞こえる。残響が耳にへばりつく。
耐えきれず、タンナは夜空の下へ飛び出した。

「…ダメだ…今日も、眠れなかった…」

ふらふらと力無く飛ぶ。行く先など考えてもいなかった。





気づかぬうちに、南側へと針路をとっていたらしい。目の前には、あの時と変わらない、白銀がギラギラと牙を剥いていた。夜のはずのその空間は何故か明るくて、上を見上げればそこには丸い無機質な光が煌々としていた。大きな四角い塊が、時折静かな轟音を立てて走り去っていく。
魂の抜けた目でその殺風景を眺めていたが、やがてタンナは逃げるようにそこから引き返した。





(まだ、聞こえる)

覚束ない飛び方で、自分の巣に戻る。
目を瞑ってしまえば、またあの日の夢を見る。怖くて、怖くて、もう眠ろうなどとは考えられなかった。

(俺のせいじゃない。どうしようもなかったんだ)

眠れなければ、巣にいても無意味だった。夕べとは違う疲労。

(そうだ、あそこで気を紛らわそう)

余力を振り絞って、タンナは湖へ向け飛び立った。



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