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深夜の逢瀬3






手には名刺──



目の前には質素ながらも高級感漂う扉──







『金は払う。だからちょっと頼みたいことが…』




そう言われて渡されたのは一枚の名刺。




裏には店の場所が明記されていて表には店の名前と『政宗』の文字。




別に金に釣られて来た訳じゃないけど、行かなかったら次顔合わせた時、気まずいでしょ?



それに真剣だったし、政宗サン。





場違いな上、白い目で見られることを覚悟し一度深く深呼吸してはホストクラブの扉を開けた。


















「癒やしの空間、闇夜の狭間へようこ………ってあ……れ?」





軽快なベルの音と共に扉を開け、視線の先にいたのはスーツを着た人当たりの良さそうな長髪の男の人。


笑顔で歓迎するも俺が女じゃないとわかると対処に困ったように指先で頬を掻いてる。




「あ、いや…俺は……」



店内見回しても客は勿論女ばかり。

男の客なんて誰一人としていない。



しかも見える範囲で店内を見渡すも店に来いと言った本人の姿すら見当たらない……





「あ、いや、ごめんね。男の人がお客様だなんて初めてでさ」


「ち、違ッ…俺様頼まれて此処に…」




男と戯れる為に来たと思われるだなんて冗談じゃない。


野郎と仲良く話するなら、まだ安い飲み屋行く方がマシだ。




「この人に頼まれて来ただけなんだって!」




ひたすら勘違いだと説得させるも全くわかってくれないホストに貰った名刺を差し出した。



もしいないと言われたら帰ろう。

こんな場所に顔出してるなんて知り合いに見つかったら何を言われるかわかったもんじゃない。



そんな俺様の心情を知ってか知らずか差し出した名刺の名前を見るや固まるホスト。




「これってもしかして眼帯してるやつから貰った?」


「そうですけど」


「背がこれぐらいで、髪がこれぐ─…」


「入り口で何やってんだ、慶次。他の客が入って来れねぇだろうが」



どんな人に貰ったのかと事細かに聞かれていると背後から現れたのはこれまた場違いな顔をした顔の持ち主。


ぱっと見た感じ『ヤ』がつく職業の人じゃないかと感じながら思わず一歩後退した。


ホストクラブのバックにそう言った組織があるのはよく聞く話だし、もしかしたら俺様はとんでもない場所にきたのかもしれない。












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あきゅろす。
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