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遙か古より7



「どう思う?」




あの後、なんだかんだと言い訳を並べ、小十郎を追い出すような形で無理矢理家へと帰らせた。




「ん〜、イタズラにしては悪質かなぁ」




箱を持ち、側面を眺めながら呟いてはコトッと箱をテーブルの上へと置く。


小十郎同様色々試しては見たらしいが開けることは出来なかったらしい。




確かに嫌がらせにしては手が込んでいる。

それに普通に考えて青龍なんて言葉、すぐに出てくるもんでもねェだろ。



もう箱を開けることは諦めたのか、さっきまで作っていたカレーを美味い美味いと言いながら腹へと納めていく佐助を呆れたように見ながら傍らに置かれる箱へと手を伸ばした。





箱が開きそうな雰囲気は確かにある。



だが接着剤で蓋をくっつけたのかと思うほど、箱の蓋はびくりともしない。




「…………」





もし、俺や佐助、慶次以外に俺たちが力を持っていることを知っている者がいたとしたら─…



青龍、白虎、玄武─……



朱雀の力を持っている奴は今どこにいる─…?



この箱の中身が自分の力と関連のあるものだとしたら─…





蓋に指先を触れさせ、脳裏によぎる一つの仮定を否定しつつもあの言葉を口にした。





「“水を司りし青龍よ”」


「ちょっ…政宗!?」


「“我を君主とし、願いを聞きたまえ”」




─我が名は政宗─




─閉ざしその門を開け─







佐助の焦ったような言葉を無視し唱えれば軽快な音と共に蓋が開いた。




「やっぱりな」


「………もしかして」


「朱雀の野郎、もしくは四神の力を持つ者以外に俺たちの力を知っている奴がいるのかもしれねェ」




箱の中には大きめな水色の石が付いた太めの腕輪。



輪の大きさからいって、手首ではなく二の腕辺りに付けるようなものだろう。




「んで、これはその人からの贈り物ってわけ?」


「だろ。微量だが力を感じる」





水の力とは別な力。


だがそれが何の力なのか、そこまではわからねェ…



「今はのんびりこの生活を楽しみたかったんだけどなぁ〜」


「HA!諦めるんだな」








数時間後─




佐助の元には幸村から。


俺には慶次から電話が掛かってきた。




佐助の方は佐助宛に荷物が届いてるとだけ言われただけだったが、慶次からは俺同様、開かない箱が郵便受けに入っていたとの連絡だった。







誰から送り届けられたかわからねェ、贈り物。






着々と俺たちの短い平穏は幕を閉じて行く─…








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あきゅろす。
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