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遙か古より8


「おはよう、政宗。な〜に、朝から疲れた顔しちゃって」


「…Good morning…、慶次」




聞き覚えのある声と共に肩を叩かれ横へと顔を向ければそこには慶次の姿。




「二人とも随分と眠そうだねぇ」


「昨日政宗がなかなか寝させてくれ─」


「テメェがぐだぐだ言いやがるからだろうが!」







昨日、なんだかんだ言いながら佐助は一度荷物の中身を確認すべく家へと戻った。


そして一時間程して帰ってきたアイツの手には俺のものとは色違いの白い箱。

中身はこっちに戻る最中に確認したらしい。





中身は指輪。


しかも興味本位で指にはめたら抜けなくなったらしい。





『自業自得だな』


『そんな〜…、抜く方法考えてって』


『ンなもん指ごとぶった切っちまえよ』


『嫌』





ぎゃんぎゃん騒ぐ佐助にありとあらゆる手を使ったが結局指輪は佐助の指から抜けることはなかった。




「そういや慶次、それってもしかして…」



佐助が指差す先には黒いビー玉のような玉がついたチョーカー。



流れ的に考えれば慶次宛に送られてきた箱の中身。




「あぁ、箱の中身」


「馬鹿がここにもいやがった」




どうして訳の分からねェもんを身に付けようとするのか理解出来ねェ……


俺は身に付ける気にもなれず箱に戻し、クローゼットの奥へとしまった。




「よくも訳の分からねェもん身に付ける気になったな」


「いや〜、綺麗だったしさ。それに呼ばれてる気がしてねぇ」




ははっと笑い洩らしながら頭を掻く慶次。



綺麗というのは納得は出来る。


その辺の女に渡せば喜んで貰っていくだろう。




「そういや今日転入してくる人がいるんだってね」


「こんな中途半端な時期にか?」




あと一週間もすれば期末試験が始まる。


普通もっと区切りのいいときに来るもんだろ。




「政宗と同じく隻眼らしいよ。四国から来たんだってさ」




佐助は校内一の情報通。

それは知らないことなどないんじゃねェのかと思う程に。




「あぁ、あと市先生が産休の間だけ代わりを務める先生も来るらしいよ」


「マジ?綺麗な人だといいなぁ〜」




あれこれと都合の良い妄想を抱きながら楽しげに会話弾ませ教室へと向かう佐助と慶次。









四国から来る時期外れの隻眼の転入生。






世界はゆっくりと破滅へと突き進んで行く─……





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あきゅろす。
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