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タイトル募集
参…09

【Side-不二】


家庭科で作ったお菓子をあげると
女子に追われ、映写室に逃げ込んだ。
流石の僕でもあんなに大量のお菓子は食べれない。
英二は

「わぁー!良いの!?
 こんないっぱい…ありがとにゃ!」

なんて、凄く喜んでいたけど…


映写室で息を潜めていたら、
誰か入ってきた。
バレないように見ると三咲さんで
丁度いいと話し掛けようと思ったら
またドアが開き、慌てて隠れた。


そう聞こえたのは良く知っている声
加奈ちゃんだった。


チャイムが鳴り、
2人は映写室から出ていった


三咲さんが誰かを苛めてるなんて
思ってはいなかったが、
加奈ちゃんが黒幕だったなんて…
でも、今見たのは間違いない事実だろう


「そう言う事か…」










僕は事実を知ってから、一人で考えた。
三咲さんは相変わらず否定をせず
殴られ、罵声を浴びる日々。
こんなの、あっていい筈がない。

そう思い、行動に出た

教室、屋上、映写室、
体育館裏、部室裏、

思い当たる所を全て見てまわるが
何処にも居ない



「そう言えば図書委員だっけ」


図書室が見えた時、
中から越前と新堂さんが出ていくのが
見えた。

角を曲がったのを見届け、図書室を見る

ずっと探していた人がいた。
受け付けに座り、本を読んでいる。

図書室に入り、本を読んでいる三咲さんに
声を掛けると、顔をあげた。


久々に目があった気がする
が、目が合ったのはただの一瞬で
直ぐ外される。

長めの前髪に長く艶のある黒い髪
三咲さんの小さい顔には
不釣り合いな大きめな眼鏡。
髪の毛で隠しきれない痣や赤みは
見るからに痛々しく感じた


僕がもっと早くに行動を移していたら
何か違ったんだろうか…



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あきゅろす。
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