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タイトル募集
参…08
「あれ?三咲さんだけ?
 今日は越前じゃないのかな…」

暇だったので本を読んでいたら
声を掛けられ、顔を上げる

「こんにちわ」

不二さんだった。
ニコニコとこちらを見ているが
その笑顔が今の私には怖くて仕方がなく、
目を反らす。



『越前君は、今出てますが…』


「そうなんだ

 …ねぇ、三咲さん。
 三咲さんは
 このままで良いと思ってるの?」

『…え?』

「僕は去年ペアだったから、
 他のメンバーより少しは三咲さんの事
 わかってるつもりなんだけど…

 何でもっと否定しないの?」


まるで私の事を信じてくれてる口振りだ


『……何が言いたいんですか?』




『否定しても、誰も信じません。
 例え信じてくれたとしても、
 絶対に裏切るときは来る…
 だから信じて欲しいなんて思わないし、
 私も信じません』

「誰から教わったの。そんな事」

『自分自身からです』


その時、昼休みの終わり5分前を告げる
チャイムが鳴った


「三咲さん、
 何があったのかわからないけど、
 僕は君の味方だよ」


そう告げると不二さんはニコッと笑い、
図書室から出ていった


“味方”

そんな言葉を聞いたのは初めてだった。
例え嘘であろうと、少し嬉しい


『味方…かぁ』

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