[携帯モード] [URL送信]

タイトル募集
参…06

パァン!

     パァン!



静かな敷地内に響く音

何度もラリーが続く。

景吾くんとは、小さい頃
良くこうやってラリーしていたが
今では関わりすら無い。

同じテニス部なので、
ミクスドの試合では会う事があったが
景吾くんは話しかけてこず、
両校に2人の関係は知られていなかった。

多分、こんな地味な奴が
婚約者なんて知られたくなかったか、
婚約は破棄になっているからだと思うが…




景吾くんが大きくボールを打ち上げ
ラリーは終わった。
いつの間にかコート袖にいたメイドさんからタオルとドリンクを貰うとベンチに座ると

「お前んとこが創るドリンクは
 相変わらず旨いな」

『…有難う御座います』

うちの製品を景吾くんが誉めながら、
少し間を空け、隣に座った
そして、“散れ!”と言うと
メイドさん達は居なくなった。


「お前、青学だったよな?」

『はい』

「テニス部の練習はキツいか?」

『…いえ、普通です。
 楽しくやっていますよ(今は)』

「…そうか」


そう言うと、
景吾くんは無言になってう

『私、先に戻りますね』

「いや、俺も戻る」




【Side-跡部】

ラリーをして気付いたこと、
あいつは右手首、左足首を特に庇っていた
他にも庇っている所はあるだろうが…

テニスは楽しくやっていると答えた。
まぁ、テニスで何か嫌な事があったら
ラリーすらしてくれない筈なので、
それは本当だろう

何て考えていたら電話がなった


「俺だ」

出ると、頼んでいた者だった。
話を聞いて驚いた。


あいつは3年生に上がると同時に氷帝から
青春台第三小学校へ転入し
青学では三咲財閥の事を隠している。
そして女子テニス部に入部。
今年の先月から部活の後輩で
男子テニス部顧問である竜崎の孫をイビり始め
それが悪化し、苛め始める
止めに入った男子テニス部マネージャーの
新堂財閥令嬢にも苛めが及んでいる。



あいつが変わってしまった理由は
わからずじまいだったが
あいつが苛めをしていたと言う事には
驚きが隠せなかった。

昔のあいつなら信じなかったが今のあいつなら有り得そうで…
じゃあ、あいつの怪我は何だ?


色んな考えが頭を支配していく



「駄目だな」


考えても埒があかない。


変える支度をし、三咲家を後にした

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
無料HPエムペ!