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学校に着くと、「Miss.なまえはこちらに」と厳格そうな女の人に一年生と同じ列の最後尾につれて行かれた。


ジョージとフレッドに別れ際にこそり、と羊皮紙の切れ端を渡される。


校舎(というか城?)に入る直前に貰った羊皮紙を開き、読んでみる。

内容に唖然とした。だって、組分けはドラゴンと戦う、と書いてあったから。


緊張しながらくしゃりと羊皮紙を握り潰してポケットの中へと放り込んだ。


大広間に足を踏み入れるとそこには生徒が4つのテーブルに別れて座っている風景。

天井には夜空が見える。おそらく魔法だろう。


あたしはドラゴンなんて有り得ないなんて思いながらも、緊張で校長の話なんか聞いていなかったし、気づいた時には組分けは一年生の半分ちかく終わっていた。


はっ、と気づいて組分けを見ると、ただとんがり帽子を被るだけのように見えた。


双子にからかわれたことが分かり、恥ずかしくなる。


「なまえ・みょうじ」


自分の名前がいきなり呼ばれたことに驚いて顔をあげる。

どうやら色々考えていて一年生の残り半分も終わってしまったようだ。


慌てて前にでると、ざわざわとテーブルの周りが騒がしくなった。



「Missなまえはみな知っておるように、歌手の仕事の都合で編入、という形になった」


校長先生の説明のあと、帽子を被って椅子に座るよう促される。


促されるままに帽子を被って座ると、「ほっほう」なんてどこからか声が聞こえた。


声の出所がわからない。少し恐怖感を抱く。


「上だ。上」


そう同じ声に言われ、頭をフル回転すると、帽子が話しているという結論に落ち着いた。まぁこの世界ならこんなこともあり得るかなー、と。


「ふむ、君はなまえの所の娘だな?」


はい。そう口を動かそうとした瞬間に、「おっと、頭に浮かべるだけでいい」と咎められた。


「頭も悪くない、勇気もあふれている、才能もある、そこそこ狡猾でもある…。どこの寮でも上手くやれるだろう」


帽子は、一呼吸入れた。


「ふむ…、ハッフルパフにするには勿体無い。
しかし、レイブンクローにするには勉強が好きではないようだ。
スリザリンにするには優しすぎる…。し、嫌がってるようだな…」


帽子はすぅぅ、と深く息を吸った。


「グリフィンドール!!」


そうみんなに聞こえるように大きな声でそう言葉を吐き出した瞬間、グリフィンドールのテーブルは大きく上がった歓声で渦巻いた。


「さぁ、お行きなさい」


ぽけっ、と突っ立っていると、厳格そうな女の人に背中を押された。


勢いに任せてグリフィンドールのテーブルへと歩むと、フレッドとジョージが近付いてきて、あたしの両手を取る。


そしてそのままぐんっ、と両手を上にあげさせられ、「みょうじ・なまえをとったぞ!!」と二人して騒いでいた。



このまま平穏に過ごせれば文句はない
(そんなの、こんな双子の隣でできるのかなぁ)



あきゅろす。
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