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『中学の制服脱いだらさ、もう大人でさ。でも実際全っ然違うんだよねー。中学んときとなんっも変わんない』
変わったのは部活への心構えくらい。
そうくすり、と自嘲気味に笑う。
「そんなら、俺がお前を変えてやってもいいけど?」
泉の真っ赤になった耳が視界に入った。
『そっか、そっかあ…』
何故だか涙がこぼれてきた。
何泣いてんだよ、そう驚き気味に言う泉が可愛くって、あたしは笑って言った。
『泉がいるなら、泉と居れるならいいやぁ』
あたしはわぁっ、と子供のように泣いた。涙がもう出ないだろうと思われるくらい。
そんなあたしを泣き止むまで泉が抱きしめてくれていた。
「…そろそろ帰っか」
そう言われて赤くなった空に気づく。
『ん』
真っ赤に腫らした目を指で冷やしながら歩き出した。
夏の日
(ところで泉の下の名前ってなんだっけ)(…孝介)(覚えてないからって怒ることないじゃん)
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