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ギラギラと照りつける太陽。

暑い。暑すぎる。


「あっつー」

「ホント今日暑いねー」


嫌になっちゃう、と千代ちゃんがジャグに水を入れながら笑う。

「汗だらっだらだよー
気持ち悪い」


背中を汗がつたうというのは気分が良いものではない。
汗が流れる感触に顔を少し歪めた。


「あ、千代ちゃん先行ってて
みんなドリンク待ってるよ」


千代ちゃんが先に来ていたので、あっちのジャグの方が早く溜まったのだ。


「わかったー」


よいしょ、とジャグを持つ千代ちゃんが可愛い。

可愛いからこそ複雑なんだよね。


ジャグに水を入れつつ、はあ、とため息をついた。


「お前なにしてんだよ」

「ひゃあ!!」


急な声に振り向くと立っていたのは、頭を占領していた泉。


「びっくりしたー!急に話しかけないでよ!!」

「急に話かける以外にどうやって話かけんだよ」

「…つか何しに来たの」


ジャグが満杯なことに気付いて蛇口を捻る。


「水浴び」


泉はすたすたと隣の蛇口に向かい、ホースを付けて頭から水を被った。


イライラする。モヤモヤする。
好きだからこその感情が苦しい。

最近千代ちゃんと仲良いの知ってるんだよ。
好きなんだよ。気づいてよ。もうこの気持ちに行き場がないんだよ。


「なに百面相してんだよ」


その声にハッと我に返れば顔面にかかる水。


「な、に!!」


頭とTシャツがびしょびしょだ。下のジャージはなんとか無事だったけど。


「いーじゃん
すっきりしたろ?俺も良いもん見れたし」


にぃ、歯を出して笑う泉が可愛くて、まあいいかと思ってしまった。
でも最後の意味はわからない。


ベンチに戻ったら監督に怒られてしまったけど楽しかったからいいや。


「#name1#、今日はピンクなんだな!」

「は?何が」

「ブラ!!」

「っ!ばか!」


にや、と笑う田島の頭を殴ろうとしたけれど、軽々とかわされてしまった。


ねえ栄口、泉のことどんどん好きになるんだけどどうすればいいの。



あきゅろす。
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