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どん、角を曲がると衝撃。

誰かとぶつかった、そんなことを認識するのには少し時間がかかって。

認識してから相手を見ると見慣れた綺麗な顔が痛みにゆがんでいた。

「あ、すいません、先輩」

『泉、君?ぶつかったの泉君だったんだー。泉君ならまあいっか』

「先輩ひでー」

あはは、嘘だってー、ケガない?なんて笑いかけてくる先輩。

そっちのがケガしてそうだっつの。

先輩は浜田と付き合ってるんじゃないかと思い始めたのは中2のとき。

そして今現在もそう思っている。浜田に会いに9組によく来るし。

『ていうか、泉君と会ってよかったー。ちょうど今から9組に行くとこだったし』

「・・・浜田っすか?」

顔を見ずにそう言うと、違う違う、と全力で否定された。

そういうとこが嫌なんだ。明らかすぎて。

『泉君、泉君。あたしがいつも9組に行く理由が浜田の元後輩に会うためだったらどうする?』

「は?」

驚いて先輩を見ると、俺を見てたみたいで目が合った。

『今日ね、委員会で遅くなるんだ。野球部ミーティングだけでしょ?』

おくってくれるよね?

意地悪げに弧を描いた唇。

その言葉と表情だけで真っ赤になる俺は、まだまだ先輩にはかないそうもない。



追いつけ追い越せ無理な様





あきゅろす。
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