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えへへー、なんて笑う文貴がウザい。

ウザすぎる。ムカつく笑顔は千代ちゃんのおかげだろ。

『文ウザい』

「ええっ。なんかお前最近冷たくねー?」

『それはあんたがウザいからだよ』

文と千代ちゃんが付き合うことになったとき、すんなりと「へえ、そうなんだ。念願叶ってよかったじゃん」なんて言葉が出てきたことには自分でもびっくりした。しかも最後に千代ちゃん泣かしたら承知しないかんね!とかまでつけちゃって。


いい子ぶってるよ、あたし。


「でもなまえのおかげなんだよなー。なまえが相談乗ってくれたかんさ」


ありがとー、やっぱなまえは頼りになんなー!とか言われたときには胸が苦しすぎて死ぬかと思った。


「幼なじみってやっぱいいよなー。遠慮とかないし!」


うるさいな、黙ってよ。文。これ以上あたしを苦しめないでよ。


君 は あ た し の 想 い を 知 ら な い で 他 の 子 と 、 な ん て 。 も っ た い な い こ と し て る ね 。


(幼なじみじゃなかったら)(あたしを好きになってくれてた?)


精一杯の強がりを分かってよ。お願いだからこっちを向かないで。

その幸せそうな顔は切り落としたいくらい憎いんだもの。


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