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「つか#name1#さんて…」

「養護教務志望だよな…」

「つーことは…」

「理数系が聞ける!」

栄口君、沖君、泉君、花井君が繋ぐ。


「期待に沿えなくて申し訳ないんだけど、あたし隠れ文系なの」


「「「隠れ…文系?」」」


「そ、理系には行ってるけど、実際は文系
だからあたしには現国と英語くらいしか…」


あはは、と頭をかく。
みんなはぽかん、としていた。

「じゃあ、どうやって大学受かったんすか」


「一夜漬け…なんてね
ごめん、冗談」


一夜漬けというと、みんなは心底がっかりした顔をしたから、直ぐに冗談だと付け足す。

実際は、別に特別なことはしてないんだよね。


「そすか…」


気のない返事をされる。
さすがにちょっと悲しいなあ。

「あ、でも高一の数学くらいなら答えれると思う」


その言葉のあと、みんなは少し喜んでくれたみたいだ。よかった。


とりあえず一時間、と勉強を始めた直後、れーんー!!と三橋君を呼ぶ声。


「おっ、親が帰ってきた!!」

「あ、マズイ?」


玄関クツひどいぞ、なんて高校生男子にしては気の回ること。さすが沖君。

大丈夫!そうきっぱりと言い切って駆けていった三橋君を田島君が追いかけて、それをまた泉君が追いかけるという状況に。
水谷君の「俺らも行かね?」発言によって全員階段をおりることになった。


「じゃあ歌うたおうぜ!ろうそくつけて!みんなでお祝いしようぜ!」


あたしはみんながばたばた出て行ったおかげで倒れたりしたものを直していたので、おりるのがおそくなり、状況がいまいち飲み込めなかったりする。

でも、みんなが三橋君の誕生日を祝おうとしているというアバウトな感じは分かった。

みんなが色々と運んでいる中、あたしは手に持っている物を見る。


「ね、三橋君」

「は、い?」

「あたしね、お祝いにケーキ焼いてきてたんだけど、いらない、かな
二つもケーキ」


えへへ、と笑うと、「それ、にもろうそく、立てて、」となんともわたわた慌てたように言ってくれた。可愛いなあ。


「あ、お母さん、あたし、養護科に通ってる#name2# #name1#です
みんなのケガとかの面倒とかマネジとかやってます」


監督と知り合いで、と付け足すと、まあ、そうなの!大学にも通ってるのにいい子ねぇ〜!!なんて感動してくれた。


「こんな可愛い子がマネジしてくれてるなんて!みんなの士気もあがるわねぇ」

なんて世辞まで。
似たもの親子だなぁ。


三橋君はお母さん似なんだ。

あ、金髪じゃなくてよかったなあ、なんてぼんやりと髪に指を絡めた。



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