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西浦は最後に織田君から三振をとって、初勝利をおさめた。

「#name1#っ!
勝ったぞ!!」


そう言ってベンチに飛び込んできた田島君に抱き締められる。
でもあたしはただ放心状態で。
しかも涙なんかでてきちゃって、目の前が霞んできた。


「っ…!」


ポロポロと溢れ出す涙にみんなは戸惑っていて。

田島君も驚いて、体を離し、おろおろと右往左往している。


「うわ
なに泣いてんだろ
嬉しすぎて…
ごめんね」

「…や、そんだけ喜んで貰えると、俺らも嬉しいっす」


ふわりと頭に乗っかる大きな手。

俯いていた顔をあげるとそこにいたのは泉君で。


身長も男子にしてはちっちゃいし、顔だって可愛いのにやっぱ男の子だなーなんて。


さらに前を見ると、みんなの笑顔がうつって、殊更嬉しくなった。





「車10分くらいだそうです」


千代ちゃんがぱたぱたと駆けてくる。


「ありがと。荷物持って!門まで行くよー!」


まりあさんにみんなは気持ちのいい返事をして、荷物を運び始める。


「千代ちゃん!
ごめんね、ウグイス嬢任せちゃって…」


「いえ!
全然!」

千代ちゃんはそう言ってにこりと微笑んだ。


千代ちゃん可愛いな、なんて和んでいると、後ろから畠君の声が聞こえる。


「つぐなうチャンスをくれないか」

「!!」


畠君の一言にみんなの視線が三橋君へと集中した。


「…戻って、来いよ」


戻らない、よね?
三橋君。

もう、みんなと仲間になれたでしょう?


「…も…ど…らない」


三橋君がぽつりと告げた自分の意志。

阿部君は嬉しいんだろうな。


そのあと、また試合をしよう、とお互い言い合ってた。

青春、だね!


「あのっ」


不意に後ろから声がかかる。


「あっ、あたし?」

「はいっ」


振り向くと顔を真っ赤にした叶君が立っていた。


「めっ、メアド教えてもらえませんかっ」

「メアド?いーよ
えと、どうしよ」


偶然ポケットに入っていたメモ帳にメアドを書き、千切って渡した。


「後でメールして
そんで三星の野球部なら誰に教えても良いから!」


それじゃ、と後ろを見た時には誰もいなくてちょっと焦ってしまった。





「#name1#さん、遅かったっすね
何してたんすか?」


バスの後ろの席に座っていた花井君から話しかけられる。
「メアド交換!
叶君と」


年下のメル友!なんて笑うと、無防備だ!とかなにやってんすか!とかみんなから罵倒されてしまった。

まあその場を境にみんなのメアド交換できたからよかったけど。





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