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『まりあさん、ちょっとコンビニ行ってくるけどなんかいるものある?』
チャリ、車のキーがこすれる。
「そうね…、重くなりそうだから2、3人選んで連れてきたら?その間にメモに書いとくから」
『りょーかい』
トントン、なんでこんな短時間で二回も同じ部屋にノックをしなきゃならないんだと微妙な気持ちになったが、まあ荷物を持って貰わなければならないので仕方がない。
襖が開いて出てきたのは栄口君。
『何度もごめんね。えっと、この中で2、3人コンビニついてきてくんない?ちょっと買い出し行くんだけど』
もしかしたらちょっとしたものなら奢っちゃうかも。
そう付け足すとはいはい!!と沢山声があがった。
『んと、じゃあ…』
結局阿部君、花井君、泉君についてきてもらうことにした。
『なんかごめんねー、軽いもん奢るから。みんなには内緒ね』
安全運転で車を進める。
「いいんすけど、なんで俺ら選んだんすか?」
そこが気になるのか、この子等。
『あんま話したことなくて、しかもしっかりしてそうな人選んだの』
はい着いた!
車を止めて、おりる。
『さて、まず頼まれたものを…』
スポーツドリンクの粉と氷を大量にカゴに入れる。
『っ重っ…』
持てなくなるくらいの重さ。
『んー、どしよ』
悩んでいると横から伸びる手。
「持ちますよ」
『阿部君、ありがと。やっぱ男の子いると助かるねー』
食べたいものとか選んできたら?と言うと、アイスなんで最後にします、とかえされた。
「つか、みょうじさんは何買うんすか」
『名前呼びでいいのに。あたしはねー、髪色戻し。明日練習試合っしょ。この髪はさすがにねぇ』
茶色と黒、どっちがいい?
阿部君は交互にパッケージを見て、茶色、と呟いた。
その後みんな揃ってアイスをカゴに入れて、コンビニの前で食べて、あざーすっとか言われちゃって、かわいーなーとか思ってしまった。
(明日には茶色になってるよー、髪ー)((ええ!?))(何よ、泉君、花井君)(つかなんで阿部は驚かねーんだよ)
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ヒロインはらーぜのためならなんでもします
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