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「風……?」

「そっ、精霊と盟約を結ぶのよ」

 精霊使いは代々、盟約を結びながら精霊達の力を借り、事を成す。その為には、直接精霊の元へ出向き、盟約を交わさなくてはならないのだと、ティアはその旨を告げた。

「それでまずは風の精霊というわけか……。ところで」

 フルドが問う。

「一体精霊とは何処に居るんだ?」

「わかんないよぉ。だからこれから探すのよ」

 ティアはさも当たり前のように正す。

「……行き当たりばったり、だな」

「なんとかなるもん!」

 口論を続けながらも、二人は歩みを進めていく。フルドの提案により、風の精霊の居る可能性がある場所……自然に囲まれた地を探しながら、鬱蒼とした森を抜けていく。
 そうして、数時間が経過した後。

「……つかれたぁっ!!」

 最初に音をあげたのは、やはりと言うべきか、ティアだった。

「おいおい……そんなんじゃこの先やってけないぞ?」

「歩くのは疲れるから嫌だもん! 早く風の精霊の力で空飛ぶジュウタンに乗るの!!」



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