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そうこの目の前に居る少年はティアたちを見すえて口を開いた
『ここいらはこのオレ、風の精霊・シルフ様の縄張りだ! 易々と足を踏み入れないでもらいたいね!』
フルドは少年のその言葉に目を輝かせた少女のことは見えなかった。
「ただの人間って言えば人間だけど」
フルドは少年を見て話しかけていると少し浮いていることに気付く。
「風の精霊・・・思ったより早く見つかったな・・・あのさ・・・」
話しかけようとフルドは少年と向き合った瞬間横の精霊使いの少女に弾き飛ばされる。
まるで火事場の馬鹿力のような感じだと脳裏でつぶやくフルド
そんな彼を無視してティアはシルフをみた。
「今風って言ったよね!!ティアの耳には風って聞こえたんだけど」
それまでフルドとシルフのやり取りの中でさえ黙っていた少女はシルフに飛びついている。
いったい何処に生身で剣士を弾き飛ばせる精霊使いが居るのだろう・・・とシルフとフルドは思ったが口にしない。
「力を貸して」
両手を合わせてティアはシルフを見たがシルフは顔を背ける。
「そうだな・・・この草原内で鬼ごっこしようぜ」
シルフは言う。



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