エンドロールを夢見て
(ランス×スザク)
「この戦いの果てには一体何が残るだろうか……君ならどう思う?」
金髪碧眼の優男はグラスにワインを注ぎながら目配せする。向かい合って赤髪赤眼の女戦士は自分のグラスを差し出して、中を満たしていく薄紅色の液体を眺めていた。
「私が奴らを滅ぼす。その事実は残る」
「そうじゃない。俺達の話だよ。もしこの戦争がどういう終末を迎えても、俺達のような存在はまた世界の脅威になる」
「解っている」
「そうなると俺達は、自らを殺す為に戦っていることになる」
グラスに口を付けて、男の動きが止まる。
「……戦いは止められない。例え行き着く先が死だとしても」
ワインを飲み干し、尚も強い意志に満ちた目をする女に、男は半ば自嘲気味に笑った。
「俺は君みたいに強くないからさ、死ぬのは嫌なんだよ。人に成れないのならせめて、心の無い獣に生まれたかった」
男は呟き女の隣に腰掛けた。その手は徐々に女の腿に延びる。
「……どうしたら、君みたいに成れる?」
女はただ男の行為を黙って受け入れていた。やがてどちらからともなく唇を重ねて、二人は微睡んでいく。
「俺と逃げない? 世界の裏側まで」
「御免だな。潔く幕は引いたほうが美しい」
「……それでこそ君だ、赤の戦士」
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