バースデー・サプライズ
(アレックス・ダグラス・ハイリィ)
「来週、ハイリィの誕生日っスよね?」
「……だな」
ある日の昼下がり、アルマダ事務所の応接間に男が二人。
「フフッ、俺はアッと驚くようなプレゼントを用意してるんスよ」
「………」
「アニキには負けませんから」
「……それがどうした。俺も負ける気はしないな」
「……っ」
「俺は当日、忘れられないような夜をプレゼントしてやるさ」
「そっ、そんなの卑怯っスよ!」
「何故だ?」
コンコン、とドアをノックする音が会話を遮る。
「誰だ?」
若い方の男がドアを開けると、
『パァァァァァン!!!!』
鼓膜を震わす破裂音。
「うわっ! な、何だ!?」
「えへへっ、驚いた?」
状況が飲み込めないでいる男達。目の前の女の手にはパーティー用のクラッカー。
「来週私の誕生日でね、ごちそう作ってパーティーするから、二人も来てね!」
言い、屈託無く笑う。
「してやられた……な」
顔を見合わせた二人の男は、一時休戦を余儀無くされたのだった。
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