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夏の終わりと冬の始まり。
降臨せしは、邪なるモノ。
抗うためには、同等の姿を。
いつしかそれは。
姿を変えた。
夏より遠くなった空の下、はためくシーツを引っ掴む。そのまま引っ張り下ろしてカゴの中へ。
「よし、終わりっと。」
乾いた洗濯物で山になったカゴを、よいせっと気合を入れて持ち上げ、広い庭を歩く。
やがて見えてきたドアを開け、建物の中へと入った。
そのままカゴを抱えて、日当たりの良いリビングへ向かう。
リビングのドアを抜け、向かうはソファー。そこに腰掛け、洗濯物で溢れたカゴを脇に置く。
上から順に乾いた洗濯物を掴み上げ、膝の上で丁寧に畳み、ソファーの空いてるスペースにきちんと分けて置いていく。こういう時、無駄にデカくて広いソファーが役に立つ。
畳んでは置いて。
置いては畳んで。
繰り返していると、カゴの中身はすっかり空っぽになった。そのカゴに、畳んだ洗濯物を順番に、丁寧に詰める。
次に向かうは、ランドリールーム。カゴを置いて、壁に収納されているアイロン台を、パッタンと倒す。アイロンの準備をして、さっき畳んだ洗濯物を、丁寧にアイロン掛けしていく。皺を伸ばして、パリッとさせる。
やがて最後の一枚にアイロンを掛け終わり、その真っ白でパリッとしたシャツを目の前に掲げる。
「・・・完璧。」
皺一つ無い、まだほんのり温かさの残るシャツを、丁寧に畳んで、他の洗濯物の上に重ねて。空になったばかりのカゴに戻す。きっちりアイロン掛けされて嵩が減ったのか、洗濯物はカゴから溢れることは無かった。
いっぱいになったカゴをまた持ち上げ、ランドリールームを後にした。
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