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「勝算はある。残るは愛し仔等の働き次第ぞ。今から与える任務は特に強大な力を持っているとされる人喰いの残党の抹殺なり。これがわらわの掴めた情報のすべて……心して臨んでおくれ」

 リリオールが指で合図をすると、オストが手にした小さな封書を皆に渡す。

「……直接これを渡されるって久し振りだな」

 封書は各々に課せられた任務の内容が記してあり、幹部への伝達に使われているものである。ランスはすぐに開封し、中身にざっと目を通す。記された事項を確認すると、物言わず書類を丸め、立ち並ぶ燭台の火に躊躇いなく焼べた。それを横目で見たスザクが自分の封書をぐっと握ると、彼女の手の中で書類がひとりでに燃え始めた。

「スザクちゃん、これもオネガイ」

 迷糊が封書を差し出したので、スザクはそれも握りしめ、発火させ灰にした。

「こういう時は便利だな、それ」

「……まあな」

 小声で呟き、ランスとスザクは苦笑を浮かべた。

 

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