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「……っ、何しやがんだ貴様!」

「お前が入るなり煩いからだ。ほら、マザーの御前だぞ」

「話を逸らすな!! %£&△$◎×●¥……」

「東の言葉で喚かれても理解不能。よってお前は退場」

 迷糊とランスの口論が飛び交い、静かに憤怒の炎を燃やしていたスザクが漸く口を開いた。

「……貴様等、マザーの御前でそれ以上愚行を働いてみろ、私が骨一本残さず斬り刻むぞ?」

 漸く静まった二人。リリオールは呆れた顔をしていた。

「威勢が良いのは感心するがのぅ、賑やか過ぎては頂けぬぞ」

 ばつが悪そうに口を閉ざした迷糊は、涼しい顔で向き直ったランスを睨んだ。その間ヴィリアは顔色ひとつ変えずに黙っている。リリオールの後ろで控えていた少年―オストは薄い半月の唇で笑んでいた。

「……そろそろ本題に入っても良いかや?」

 リリオールが溜め息を洩らす。立ち上がった彼女の背はすらりと高く、豊満な胸を張ると一国一城の主をも思わせる威厳であった。口上が始まる。

「愛し仔等に告ぐ。時は満ちた。これよりわらわ達の向かうは、全面戦争なり」

 全員が息を飲んだ。リリオールは唇の端を吊り上げて笑っていた。

 

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