[3]
「危ない危ない」
「嘘と一緒で、貴方には朝飯前でしょう」
「ハハッ」
「……何がおかしいの」
目を細めて笑うランスをヴィリアは冷たく睨んだ。
「まったく君は、トゲの多い花だ」
「また訳の解らないことを言う……」
ランスの言葉にヴィリアは本気で困惑し眉を顰めた。
「理解はしてくれなくて結構。ところで、僕の用件なんだけど」
踵を巡らせながら続ける。
「早急に戻って来いと、マザーからの仰せだ。幹部招集なんて、良くない知らせに決まってるだろうがね。確かに伝えたから、従うように」
それだけ言い残すとランスは、それじゃ、と手を挙げて歩き去っていった。ヴィリアはそれを目で追うこともせず、小さな溜め息を吐く。
夜に静寂が帰ってきた。
→part2
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