迷宮遊戯
アフターケア
■ロノウェ+ワルギリア×戦人
□のっけからR18なのでご注意を!!
■Ep3終了後話。
―アフターケア―
「な、に、してんだよ…!」
引き攣った声をあげる戦人。
そんな彼の足の間で、ロノウェは妖しく微笑んだ。
「三回目のゲームがお嬢様の作戦勝ちにて幕を閉じてから、ずうっと部屋に引きこもって泣いておられる戦人さまを慰めに来たのでございますよ…?」
下から見上げる視線を歪ませながら、ロノウェの舌先は戦人の性器を絡めとる。
「っ……!!や、めろ…!」
生暖かくねっとりとした感覚に体が反応する。
閉じようとする足は、入り込んでいるロノウェの体に遮られた。
「どれほどの悲しみや怒りでも快楽に勝る感情はございません。このロノウェにお任せください。悪魔式ですがね。ぷっくっく…」
口に含んだまま話され、構音の舌の動きと吐息が熱をなぶる。
「ぁあっ…、ぅ、や…話すなっ…」
「これは失礼致しました。愛撫に集中致しましょう。」
意地悪めいた笑みで再度戦人を見上げながら、ゆっくりと見せ付けるように戦人の中心を口内へ含ませていった。
「ひっ…!はぁ…あ、あ…、い、嫌…だって…」
唾液に濡れた舌が陰茎をなぞり、湿らせていく。
その感覚に飲み込まれそうで、戦人は抗おうと身をくねらせる。
しかしその体は、後ろからワルギリアに抱きしめられていた。
「怯えなくても大丈夫ですよ。戦人くん。」
耳元でワルギリアの落ち着いた声が響く。
その吐息と、首筋に触れる彼女の絹のような銀髪に思わず身が震えた。
「っ…、二人とも…、いい加減にっ…ぁ、くぅ………!」
口内の奥深くまで包まれ、吸い上げる熱に抵抗を遮られる。
ロノウェに触れられている足はびくびくと震えるだけで筋に力が入らない。
どういうわけか、華奢なワルギリアの腕力に敵わない。
相手は人間じゃないから?
そう思ってしまうと、また悲しみが込み上げてくる。
魔女に騙されて、いいように踊らされたあの想いが。
「くそっ…!お前らは……最悪だっ……!」
再三泣き通して充血した瞳がまた潤み始める。
擦りすぎて敏感になった目元の肌が涙でピリピリと痛む。
「戦人くん…。また泣いているのですか?」
ワルギリアの唇が目尻に触れる。
その感触に驚いていると不意に性器は外気に触れ、ロノウェが興味深そうに覗いてきた。
「ほぉ…。まだ涙が出るのですか。枯れたかと思いましたが、ニンゲンの涙は底無しでございますね。」
二人の顔が至近距離に迫り、戦人は慄く。
ロノウェの指先が頬に触れる刺激で、感情が蘇った。
「触るんじゃねぇよっっっ!!!!」
牙を剥く様に怒鳴りつけると、ロノウェの後ろでワルギリアが小さく強張る。
だがロノウェは臆する様子はなく、微笑みを絶やさない。
「これはこれは…。全身の毛を逆立てて威嚇する猫の様でございますねぇ…。くくく…。」
笑いながら、ロノウェの指先が顎舌に触れる。
上等なグローブの質感を持つ指先は、猫をあやす様にゴロゴロと顎舌を撫でてきた。
「な…な…………!」
あまりにも突拍子のない行動に、戦人は絶句する。
すると僅かに怯えていた様子のワルギリアの表情もぱっと明るくなった。
「…まぁ!猫ちゃんですか?赤毛の猫ちゃん。可愛いですね。よしよし。」
次いでワルギリアの手が戦人の頭を撫でる。
「ふざけんなっっっっっ……!!!」
耐えきれなくなった戦人は叫びワルギリアの手を払い、ロノウェの頬に思い切り爪を立てて引っ掻いてやった。
ロノウェの頬にはくっきりと赤い筋が3本入り、鋭い痛みに表情を曇らせる。
いつも腹立たしい笑みを浮かべる悪魔のそんな表情を見れただけでも戦人は嬉しくなった。
「へっ。猫は嫌いな奴にはとことん反抗すんだよ。ざまぁみやがれ!」
八重歯を見せながら、にぃ、と不敵な表情を向ける。
ロノウェは指先で頬を摩りながら、極上の笑みを返してきた。それは思わず鳥肌がたつほどの違和感。
「ええ、ええ。ごもっともでございますね。ぷっくくくく…。」
少し行き過ぎたくらいの弾んだ声と表情。
近づいてくる影に、戦人の体に再び冷汗が浮かぶ。
ロノウェはグローブと手首の間に指を滑りこませ、外していく。
隠れていた素肌の長い指先が、戦人の首筋に触れた。
「慰め、ではなくて躾が必要のようですねぇ?」
鼻先がつく擦れ擦れの距離で悪魔が囁く。
戦人の黒い瞳は、ロノウェの深海の様な蒼さに呑み込まれ視線を外すことができない。
眼前に迫るロノウェの手が、スローモーションの様。
「あ…、んぅっ………!やっ……」
連日泣き通した部屋に、今は質の違う鳴き声が響く。
ロノウェの指が中で粘膜を抉り上げるたび、戦人は従順なまでに正確に声を漏らした。
「戦人さまは感度がよろしいですねぇ。」
感慨深く呟きながら腸壁を執拗に引っかき回すと、それは見事に戦人の性感帯を刺激する。
「ぁあっ…!っ…だ、嫌…だ…、こんなっ……、んっ…ぅ、耐えられ、ね…から………!」
シーツに顔を埋め、腰だけを高く持ち上げられた体勢のまま強いられる。
ロノウェの指の動きに翻弄されながら、白いシーツにぽつぽつとシミが滲んでいった。
「こんなに感じておられたら躾にはなりませんが…。仕方ありませんね。貴方の愛しさには敵いません。」
ジュプ…と泡立つ音を立てながら、細長い指が最奥まで潜り込み波打つように内部を撫で上げる。
「ひぃっ……!や、ぁ……あっ…!」
一際強く襲い来る甘い快楽に、一気に限界がこみ上げてくる。
達してしまいそうな間際に、指は絶妙なタイミングで引き抜かれた。
刺激がなくなることで先端まで込み上げた熱は行き場を失い、ただただ熱く苦しいほどの焦燥が戦人を苦しめる。
荒い呼吸を繰り返していると、頬に白い指先が触れてくる。
ワルギリアだった。
「戦人くん、物欲しそうな顔をしていますね。」
「んな事…、ねぇ、よっ……!」
噛みつく様にきつく睨むと、ワルギリアは悲しそうな表情になる。
戦人は歯を噛み締めて眼を反らした。
すぐ後ろで、ロノウェが衣類を緩める音が聞こえた。
「素直でないのがまた可愛らしい。すぐに満たして差し上げますよ。」
熱く硬い塊を押し付けられて、戦人は思わず振り向いて視線で追ってしまう。
自分の腰の奥に触れる男の欲と悪魔の微笑みに、逃げられない恐怖を感じた。
双丘を暴く手に力が掛り、腰が進んでくる。
引き攣れる後孔の感触に戦人は身を強張らせた。
「いっ…、ああっ…あ…!やめろっ…!!やぁっ……うあ……!!」
先刻まで指で弄られた腸壁が、ロノウェの熱を感じ取って熱く疼く。
ぬぷ、と音を立てて下半身から侵食されていく行為に、戦人は信じられなくて頭を振った。
「も……やだ、…ん、くっ……、痛ぇ、よ…!怖い……し、俺っ、女じゃ、ない、のにっ………!!!」
泣きじゃくりながら、押し込まれる度に身を捩る。
白いシーツの上で、助けを求めるように手を伸ばした。
「戦人くん。」
その手を、ワルギリアが受け止める。
「ん、あっ……?」
後ろから貫かれている戦人の手を取って、上体を膝の上へと誘導する。
柔らかな女性の肌の感触が妙に心地よかった。
「戦人くん。私にしがみ付いてて良いですよ?もう少ししたら痛くなくなります。怖くもなくなります。それまで私が撫でていてあげますから。」
……ね?
優しく微笑んで、言葉通りワルギリアの手は戦人の赤毛をあやす様に触れた。
急激に、激しい感情が喉元まで込み上げてくる。
それを我慢して呑みこむと、代りに涙となって溢れ出た。
「ワル、ギリア…、……あ、やあっ……あっ………!!」
突如中の欲に突き上げられて、戦人は悲鳴じみた声を上げ、腹の奥の暴走に呑み込まれる。
繋がった箇所からぐちゅぐちゅ泡立って、奥に打ちつけられる度に体が熱くなっていく。
体も心も壊れてしまいそうで、戦人は怖くて仕方がなかった。
だから逃げる体は、目の前の美しい魔女を求めてしまう。
「ひっ、あっ…、ワルギリア……!や、だ、怖い……!」
「大丈夫。大丈夫ですよ?ほら……」
子供の様に泣く戦人の頭を抱いて、乳房の膨らみで優しく受け止める。
ロノウェが深く挿入すると、戦人はワルギリアの細い体に強く抱き付いてその衝撃に耐える。
「ぷっくくく…。妬けますねぇ、ワルギリア様…。懐いた子猫の様ではありませんか。」
穏やかな表情と声で、ロノウェが微笑む。
根元まで突き刺して、最奥を先端で抉りながら。
「はっ…、あ、あ゛っ………………!!!!!」
苦しさに喘ぐ戦人の舌先から唾液が滴り落ち、ワルギリアのドレスから覗く白い胸元を濡らした。
ワルギリアはそんな戦人を愛おしそうに眺め、額に唇をのせる。
「んぅ…、ワルギリア………」
擽ったそうに眼を細めて、ワルギリアの胸へ顔を寄せる。
「あぁ、これは…。私の存在価値はまるで意味がありませんねぇ…。」
ロノウェはやれやれといった様子で失笑した。
「存分に、ワルギリア様をご堪能ください。」
性器を先端まで引いて、抜けそうなところから一気に基部まで突き入れる。
「うあっ、あああっ………!」
戦人の足の間の熱に指を絡めながら前立腺と共に擦ると、すぐに透明な液を滲ませた。
声に甘さが混じり、限界に拍車がかかった様子だった。
「やっ……、ああっ…!う、…ん、い……イく…から、離…せ……!」
「良いですよ、戦人くん。」
「戦人さま。快楽を味わってください。」
魔女も悪魔も戦人を甘く追い詰める事を止めず、堪らずに戦人は絶頂を強いられる。
「だ、めっ…、あっ…んんっ…!!!く……ぁあっ………!!!」
堪えられずにびゅるびゅると飛び出した白い精が、ワルギリアの黒いドレスを濡らす。
「……ぁ、」
快感の最中で戦人は気まずそうに顔をしかめる。
「…そんな顔をしないでください。戦人くんのなら、私は喜んで受け止めますよ。」
ワルギリアの手は相変わらず戦人を撫でながら、閉じられた瞳はやんわりと微笑んだ。
懐かしい優しさに、戦人は涙が滲むのを止められなかった。
「……俺は、本当に嬉しかったんだ。」
一糸纏わぬワルギリアの腕の中で、ぽそりと呟く。
答えはない。
代りに抱き寄せられて、豊かな胸の膨らみに頬が沈んだ。
触れあう肌の心地よさに溺れてしまいそうになる。
白い肌、魅惑の美貌。
「初めて味方ができて、それがワルギリアで…………、嬉しくて仕方がなかった。」
「戦人くん…。」
辛そうな声に思わず名前を呼ぶと、黒い瞳だけが見上げてきてすぐに反らされた。
拗ねた猫の様だと感じ、また愛しさを込めて赤い髪に指を絡めてしまう。
戦人の指先が、瞼に触れた。
ゆっくりと皮膚を持ち上げると、瞼の下の青い瞳孔が戦人を映す。
「…綺麗な目してんのに。あんな顔で嗤って裏切るんだもんな。魔女ってやっぱり………酷ぇ奴だよ。」
戦人の指が離れて、再び瞼が閉じられる。
悲しみに暮れた表情が、暗闇の網膜に残った。
「………私はあの子に負けてしまった時点で、あの子の駒となりました。だからあのゲームの最後に貴方を裏切りました。それがあの子のシナリオでしたから。」
「何だよ、それ。……じゃあ俺が勝てばあんたは俺の駒になるのかよ…。」
不貞腐れた様な、それでもどこか切実な声。
ワルギリアは氷点下の瞳を見せながら、一つ、柔らかく微笑んで見せた。
「勿論ですよ。その時はまた、戦人くんに助言を与えましょう。一緒に戦いましょう。貴方の駒ですから、私の事を好きにしてください。心も体も、全部あげます。」
「いひひ…。そりゃ魅力的な話だな。魅力的すぎて、逆に叶わない気がしてきだぜ?」
尖った歯を覗かせながらの戦人の笑顔が久しくて、懐かしさを感じた。
それでもすぐに泣きだしてしまいそうな脆さが見え隠れしていて……
「とても難しいゲームですからね。しかし千年の時を巡れば、或いは………運命が変わる日が来るかもしれませんね。…ほっほっほ。貴方と心から手を取り合える日を待ってますよ。」
「……………。」
ぐ、と唇を噛み締める仕草は、やはり涙を我慢している様だった。
「私の氷の瞳を、いつか溶かしてくださいね。」
両手を伸ばして、戦人を抱きしめる。
腕の中で従順に大人しくなった。
「…そうそう。私とロノウェとあの子からの、伝言です。」
訝しげに首を傾げる戦人に、ワルギリアは申し訳なさそうな表情を浮かべて耳元で囁いた。
「ごめんね。…早く元気になって。」
「………最初からそう言えよ、馬鹿。」
顔を埋めた胸元から、ぐしゅ、と涙を啜る声が漏れた。
END
読んでくださってありがとうございます!やっと書けたロノ戦情事!!
しかし私はどうもワル戦が好きです。ワルギリア大好きな戦人が大好きです。
綺麗なお姉さんに弱そう///
魔女+悪魔式アフターケアは不器用&官能的です、というお話でした^^
お付き合いいただけて嬉しいです♪♪