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卒業

「…なんだよ。照れるじゃんっ。」


子供ぽいとわかってて、勇気を振り絞って言った言葉も真剣に受け取られず、茶化されるだけ。


「もう知らね。…もう知らねー。お前なんか、東京でもアメリカでも宇宙でもどこでも行けば良いんだ。俺は、知らねー。」


望を置いて、早足で歩いていく。


「ちょっ、お前。どこ行くんだよ。」

「どこでもいいだろっ!!お前だって、俺に何も言わずに東京行くんだし。」


望に掴まれた腕を振り払い、大股でずんずん進む。


「おい。待てよ。」


もう一度、先程よりも強く掴まれ、無理矢理望の方を振り向く形になる。

俺は、必死で顔を逸らし目を閉じる。


「っお前……泣いてんのか?」

「泣いてねーよ。泣くかよ、馬鹿。」

「でも、涙が…。」

「馬鹿。馬鹿ばか、バカ。お前なんか…、だいっきらいだ。」

「ヒドいなぁ…。俺は結構好きなんだけどな。」


俺は、バッと顔を上げ望の顔をまともに見る。


「っ?!お前…っ俺の気持ちも知らないで、そんなこと言うんじゃねー。」

「じゃあ、教えてよ。尚人は、俺のことどう思ってるの?」


望は俺の目を真剣に見つめたまま言う。

俺は望の目に完全に捕らえられた。





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あきゅろす。
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