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卒業

「だって、お前。北高行くって言ってたじゃん。…だから、俺…。」

「そうなんだけどさ、試しに受けてみたら受かっちゃって。」

「は?ってか、高校の事、なんであいつが知ってて俺が知らないんだよ。」

「いや〜。なんか恥ずかしくてさ。」


俺が怒りを隠せずに発した言葉にも、望は笑いながら、ごまかすような口調で答える。


「お前…ほんっとに馬鹿。大馬鹿野郎だよ。」

「えー。結構良いとこ受かったんだけどなー。」

「そういうことじゃねーよ。だから馬鹿だって言ってんだよ。」


望はずっとへらへらと笑い続けている。

そんな望を無視し、俺は歩き続ける自分の靴を見つめながら考えた。

そして、決心して言う。


「…俺も、そこ受ける。」

「でも、もう入試終わったよ?」

「じゃあ来年受ける。」

「北高はどうするんだよ。受かってたんだろ?」

「…行かない。」

「なんでだよ、お前。俺がせっかく教えてあげたのにさー。それに、お前もあんなに頑張ってたじゃないか。」


望に泣きつき教えてもらいながら、必死で頑張って勉強をした数ヶ月を思い出す。



「それは…、お前が行くって言うから。お前が行かないなら、何の意味もねーよ。」


その数ヶ月の間、心の中にあったのは、望と同じ高校に行くということだけ。

それだけが俺を動かしていたようなものだった。





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