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彼女の作戦



朝、ゆーしと一緒に食堂にやってきた。


立海のテーブルにはやっぱり氷帝マネがいた。赤也たちとキャッキャと騒いでる。
幸村くんと目が合ったけど、ぷいっと逸らした。


「ゆーし、一緒に食べよ」

「立海んとこ行かんでええんか?」

「行かないよ、てか別に席決まってるわけじゃないんでしょ?」

「せやな、あ、岳人が呼んどる」


ほんとだ、跳ねてる。


「おはようさん」

「おはよー」

「よう!先食べてんぞ!」

「向日さん、座って食べて下さい」

「うるせー!先輩に命令すんじゃねーよ!」

「チッ」

「こら岳人、座って食べ」

「………くそくそ」


うわ、ゆーしお母さんみたい。


「なぁ桜」

「ん?」

「むっちゃ見てんで」


と言うゆーしの指差す先は立海のみんなのいるテーブル。
うわ、ほんとだ。

みんな悲しそうな顔して………って、こわっ!え、なにあの女、超睨んでくるんだけど。


「うん、見なかったことにしよう」

「ええんか?幸村が泣きながら真田の帽子引きちぎってんで」

「うん、仕方ない」

「ふーん。あ、岳人これやるわ」

「わーい納豆」

「あ、日吉くんこれあげる」

「わーいなめこ!……って殺しますよ」

「いやん、こわい」


こんな感じで朝食が終わり、私はゆーしたちと別れてマネージャー用の更衣室へ向かった。


「あ、桜乃ちゃんおはよ」

「おはようございます!今日もよろしくお願いします!」

「来たわね、この泥棒猫!」

「うわ、いたんだ。通りで臭いと思った」

「なんですって!姫子怒るわよ!」

「怒鳴らないでよ、もう怒ってるじゃん、不細工だよ」

「キィィ!もう許さない!竜崎さん!」

「は、はい!」

「あなたは出てお行き!」

「で、でもまだ…」

「桜乃ちゃん、着替えるならトイレで着替えておいで」

「は、はい」


更衣室から桜乃ちゃんが出て行って、2人きりになった。


ふっふっふ、作戦通り。


ここで私が自分の頬を叩き、そして叫ぶ。みんなが駆けつけてきたら“姫子ちゃんが突然…!”と泣いて、クソ女終了のお知らせよ。

「黒井さん」

「なに」

「昨日ね、仁王君にキスされちゃった」

「え!」

「それに丸井君には愛してると言われましたわ」

「うそ…」

「フフ、立海の皆様が姫子に夢中になって悔しい?」


えー………えー。
まさかあいつらマジで……。
えー。マジかよえー。


「ふふ、どうやら悔しいみたいね?」

「べ、別に悔しくなんて…「嘘よ。悔しいから姫子のモノに手を出したんでしょ?」

「あんたのモノ?なにそれ」

「氷帝の皆様に決まってるじゃない!」

「は?」

「あなた朝から忍足君にベタベタ纏わりついて…!忍足君も迷惑そうだったわ!」


え、何こいつ。私とゆーしがいとこって知らないわけ?
ぷっ、ちょうどいいや。地獄に落とす前にさらに落としてあげよう。


「朝からっていうか……ゆーしとは昨日の夜からずっと一緒だったし」

「なっ!そんな訳ないわ!忍足君は姫子の彼氏よ!姫子をバカにすんのもいい加減にしてちょうだい!」

「は?彼氏?」

「フフフ、見てなさい?」

「何笑ってんの?気持ち悪い……え」




パシンッ──…



「キャァァァァァア!」



まじっすか。


作戦失敗
(は!レディの悲鳴!)(桜以外どうでもいい)(グハッ!)(幸むゲフッ!)(幸村部長!落ち着ぶっ!)(柳、止め(断る)(あ、おい仁王!逃げんなよぃ)(ピヨッ)



(・∀・)はらはら。どきどき。わくわく。


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