今日から合宿
「うぇーい!合宿ぅー!」
「フフ、楽しみかい?」
幸村くんの問いに、うん!と答えると、頭を撫でてくれた。かっこいいなぁもう!
「精市、あと10分程で合宿所に着くぞ」
「分かったよ蓮二。真田、みんなを起こしてくれるかい?」
「うむ、任せろ」
起きてるのは幸村くん、真田、蓮二、やぎゅ、それから私。後の人は、てぇーい!と叫ぶ真田に殴り起こされている。
まぁひどい。
そして私たちを乗せたバスは合宿所に到着した。みんな部屋に向かって一直線だ。
「桜先輩、荷物持ちます…ってアレ?荷物、そのちっこい鞄だけッスか?」
「ん?違うよ、けど…」
「アーン?桜か?」
「キング君!」
「なんでテメェがここにいやがる!つーかこの間何で帰りやがった!」
「ちゃんとメールで謝ったじゃんかー」
「俺様を待てないなんて…」
キング君がぐちぐち言い始めると、キング君が私に声をかけてからずっとあんぐりしていた赤也がはっとした。
「ちょっとちょっと!なんで桜先輩が跡部さんと楽しそうに喋ってんスか!」
「楽しそうには喋ってないけど…」
「やぁ跡部、俺の桜と顔見知りかい?」
幸村くんは後ろからフフフと私を抱きしめて言った。あ、いい匂い。
「アーン?テメェの桜だと?ハッ、笑わせるぜ」
「俺、何かおかしいこと言ったかな?それから俺の質問に答えてくれない?」
あ、こりゃマズい。赤也の顔がだんだん青くなって行く…!ん?あれは…
「おーい!ゆーしー!」
ゆーしが見えたので手を振って呼んでみると、こっちを向いて3秒程停止した後真っ青な顔でこっちに走ってきた。
「あれ?忍足とも知り合いかい?」
不思議そうに聞いてくる幸村くんに答えようとしたけど、走ってきたゆーしが私を幸村くんの腕から引っ張り出して胸ぐらを掴んできた。
「お前が来るなんて聞いてへんねん」
「言ってませーん」
「うざ!つーかあの荷物何やねん」
「あ、ごくろう」
「昨日の夜、荷造り手伝うなんて珍しいなーとか思てたら……3分の2ぐらいお前の荷物やんけ」
「気付かないゆーしが悪いでーす」
「同室の奴にお前の下着見られたあげくクソクソやっぱ侑士変態だったんだなって言われたら俺の気持ち考えろや」
「それはごめん」
落ち込むゆーしを慰めていると後ろから声が聞こえた。
「おい忍足、テメェいつの間に俺の桜と知り合ったんだ、アーン?」
「忍足さん、アンタ潰すよ」
「ねぇ忍足、俺の桜に何してくれてるの?」
なんかゆーしばっかり責められてる。いつの間にか立海と氷帝の部員たちも集まってきた。
「ほー、何かおもろそうな話しとるのぅ」
「わ〜、その子だれ〜?」
「うちのマネージャーだぜぃ」
「立海にマネージャーなんていたんだな」
「宍戸さんには俺がいますよ!」
なんかわらわらカラフルな頭が集まってきた。うん、ちょうどいい機会だし自己紹介しとくか!
「氷帝の人こんにちは!立海のマネージャーしてます黒井桜です!それからこの忍足侑士くんのいとこです!よろしくね!」
「うわ、虫よけで彼氏設定にしよ思てたのに最悪やわ」
………あれ?みんな黙っちゃった。
つーか立海とキング君に関しては白目剥いてんだけど。
「えっと、ゆーし、そちらの方々は…」
「右からジローと宍戸と鳳と岳人やけど全く覚えんでええから」
「クソクソ侑士!てきとーな紹介してんじゃねーよ!よろしくな、侑士のいとこ!」
「よろしくね〜、忍足いとこ〜」
「宜しくお願いします、忍足さんのいとこさん」
「よろしく、いとこ」
え、なにこれ。私名乗ったよね。ちくしょう。
「あと樺地ってやつとマネージャーと日吉で全員や」
「そっか、それから私は桜だから!よろしく!」
言われてみれば似てるね
(こいつら動かんけど大丈夫なん?)(跡部の白目写メ、若に送ってやれ)(はい、宍戸さん!)(俺幸村くんの写メ撮るC〜)(わたし仁王と丸井の撮ろー!ケケケケ)(クソクソ、柳だけいつもと変化無しだぜ!)(……なんやむっちゃ馴染んどるやん…)
(・∀・)また長くなっちゃった。
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