[携帯モード] [URL送信]
彼女の初氷帝




なんで授業ってつまんないんだろう。丸井と仁王は怪しいことに2人でサボリに行っちゃうし。
つまんないつまんない。
……あ、そうだ。


「もしもーし」

『アーン?誰だ?』

「黒井ですけどこれは跡部君のケータイですか?」

『黒井桜か?』

「うん!久しぶり!」

『テメェあれから何日経ったと思ってやがる、アーン?もっと早く連絡してきやがれ』

「えへへ、今なにしてるの?」

『俺様タイムだ』

「何それ、まぁつまり暇なんだね!」

『なに?俺様タイムというのは俺様による俺様のための…』

「じゃあデートしよ!」

『ハンっ、やけに積極的じゃねぇか、気に入ったぜ!よし、迎えをやる!今どこにいやがる』

「学校!」

『どこの学校だ、アーン?』

「立海!」

『なっ、お前立海か』

「うん!あ、やべぇ先生だ!じゃあ校門にいるから早く来てねー!」




しばらくすると、やたら長い黒塗りの車がわたしの前で止まった。


「待たせたな、乗れ!」

「ほんと待ったよ、おじゃまします!って広ーっ!」

「アーン?俺様なんだから当たり前だろ?」

「さすがキングくん!噂通りだね!」

「キングくんだと?ハッ、間違いねぇ俺がキングだ!」

「いえーい!」

「ハーッハッハッハ!俺様を見ろ!」

「素敵ぃー!」

「ハーッハッハッハ!やはり俺様は…」

「飽きた、うるさい」

「ハーッハ、え?俺様今うるさいって言われた?」

「今からどこ行くの?」

「あ、え、ゲフン!今から氷帝に行く」

「えっ!なんで!」

「6限目は調理実習だから出席する」

「あら」

「カップケーキを作る」

「ほう」

「楽しみだ」

「へー」

「カップケーキ一口やるから、授業が終わるまで部室で待ってろ」

「一口ってケチぃなオイ」






「ここが部室だ」

「うわー…広い…」

「大人しくしとけよ、アーン?」

「りょーかーい」


キング君は、待ってやがれカップケーキィィィイ!と叫びながら校舎へと走って行った。

することないし寝よう。






「起きて下さい」


せっかく人がいい気持ちで寝てるのに、なんかゆさゆさ揺さぶられる…


「んぅ……」

「おはようございます」

「おはよう…あれ?えーっと…」

「初めまして、日吉です」

「うわ、日吉くんだ!初めまして!なに?なんでここにいるの?え、これドッキリ?」

「うるさいです、あんまり近づかないで下さい」

「あ、ショック」


冷たい。赤也と違う。年下なのに怖い。蓮二に見せてもらった資料の写真は可愛かったのに。


「さっき跡部さんに会ったら、部室に行って貴女の相手をしていろとクソ面倒な命令をされて仕方なく来ました」

「あら、なんかごめんね」

「フンッ、まぁ俺もヒマでしたからいいんですがね」

「あれ?授業は?」

「自習です」

「へー、そうなんだ」

「はい、そうです」


あらやだ、この子会話する気ないや。
……あ、ポケットの中に丸井からパクったチョコがある。

「ねぇねぇ日吉くん」

「なんですか」

「これ食べる?」

「いりません」

「やっぱりキノコが好き?」

「なんだと?」

「あ、冗談です睨まないで」

「………フンッ」


怖いよちくしょう。あ、でももしかしたら女慣れしてないだけかも。


「ねぇ、日吉くんかっこいいね」

「は?」

「超イケメンだねーって」

「あ、あなた頭おかしいんじゃないですか」

「えー、そんなことないよ、よく言われない?」

「うっ、うるさい!言われませんよ!」


あ、ヤバいこの反応。大好きだコレ。怖いどころかやっぱり可愛いじゃん。うふ。


「あれー?日吉くんなんか顔赤いよー」

「べ、別に、ちょっと熱いだけですから……ッ!!」

「うーん熱は…」

「なっ、何するんですか!」

「あ、熱計るからじっとしてー」

「あれ?日吉?もう来とんか、なんや早い……な………え…」

「なっ、忍足さん!?あぁああ貴女は早くど、どいて下さ…」

「ぐえっ!」


急に後ろから引っ張られた。なに?ゆーし?あ、そうかここ氷帝だ。


「なに?お前なんでここおるん?え、これドッキリ?」

「どーかなー?」

「どーかなちゃうねんそれむっちゃウザいやん!いやいやてゆーか今なんか接吻的なことしてへんかった?え?なんで?」

「せっ…!そ、そんなことしてません!」

「ぇえ!?なにその反応完全に怪しいやつやん!あーもーアカン!理由なんかええわ、とりあえずお前今すぐ帰りなさい!」

「えー、今からキング君とデート」

「はい却下完全却下、はい帰れすぐ帰れほれ帰れ!そして日吉はコイツの存在すぐ忘れて跡部半殺しにしてきてほんまにお願いします、よし帰れ」

「デートだもん」

「はっはーん分かったお前デートしたいねんな?よっしゃほんなら俺とデートしよう、帰ろうすぐ帰ろう一緒に帰ろうってことで日吉、後のことよろしく頼むわ」

「は、はい」

「いーやー!」




氷帝ぱらだいす!
(おい日吉、桜はどうした)(帰りましたよ)(何だと?日吉、俺様の眼力はヘブッソ!な、何しやがる!)(忍足さんに命令されました)(な、なんだと?…あれ?お前顔赤くねモブッチ!)(下剋上だ)




(・∀・)ノリでかくからすぐに迷子になります。私の悪いクセです



[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!