彼女の帰郷A
一氏くんのおかげで、無事に四天宝寺到着!したものの、さっきから何回もかけてるのに、謙也のやろー電話でないなーちくしょー
「お嬢さん」
謙也ったら何してんのよ全く!ふん!
「なぁなぁお嬢さん」
てかだいたい何部なのよ!……ん?
なんか完璧なイケメンな人がいる!てか私に喋りかけてる?
「えっと…わたし?」
「そう、お嬢さん、ヒマ?」
………ヤバい。マジでこの人すごい。顔がすごい。キラキラオーラですぎ。しかも誘われちゃったよ、キャッホー!
「はい、すっごいヒマです!」
「よっしゃ、ほなちょっと付き合って!こっちや」
「うわっ!」
包帯なんか巻いてるし細いしイケメンだから、力弱いと思ったら大間違いだったよ。腕引っ張られてマジで肩外れるかと思った。人は見かけによらないね!
「………あの、白石くん?」
「しっ!声がデカい!」
「すいません…あの、コレなんですか」
「部活や」
えー!跳び箱の中に入ることが!?
何これ何部!?かくれんぼ部!?
……大阪って変だね。うん。
「自分、その顔はバカにしとるやろ」
「いや、てかね、何で私まで一緒に跳び箱入ってるんだろうって…」
しかもギュウギュウだからね。
まぁ白石くんイケメンだから願ったり叶ったりってやつだけどね!
「これ、俺の夢やってん…」
「へ?」
「俺の夢……思春期の男女がいつの間にやらこんな密室に2人っきり……何が起こってもおかしくない…!まさにTO,LOVEる的ハプニング!」
「いや、ハプニングも何も意図的じゃんコレ!しかも密室すぎだよこれ!何か起こしたくても全く動けないじゃん!ダメじゃん!」
「………く、くそぅ…」
くそぅ…じゃねーよ!なんだよイケメンだと思ったら、この人ただのうっかりさんだよ!
……え、なんか白石くんの顔がすんごい近づいてきたんですけど。
「自分ええ匂いすんなー」
え、これフラグだよね?跳び箱の中だけど、ほぼ身動きとれないけどフラグだよね?
「なぁ、シャンプー何使てるん?」
「白石くん…」
「ん?…な、なんや急に雰囲気変わっ…」
「そういうのは大歓迎だけど、此処から出てしない?」
「あ!ちょ、どこ触ってんねん!あかんあかん、やめて」
「え、今そういうアレじゃないの?」
「俺シャンプーの香りする子好きやけど積極的な子は無理やねん、すまんな」
「えー!何かフラれたー!」
「ちょ、うっさい」
「泣いていい?」
「あ、メールや」
「そして無駄の無いスルー」
「……謙也や!よっしゃ!俺が優勝やー!さすが俺!」
「わーおめでとー……え、謙也?謙也って忍足?」
「ああ、せやで」
「白石くん謙也と知り合い?」
「同じ部活や、そして今日の鬼が謙也や!」
うわー、謙也ってまさかのかくれんぼ部だったんだ。もうびっくりだよ。けどまぁ…
「ちょうど良かった!謙也のとこ連れて行ってー!」
「今から行くし構わんで」
「わーい!」
「ほな行こか」
「うん、行こう」
「……早よ行こうや」
「いやいや、白石くん出てよ」
「俺動かれへん、黒井さん先出て」
「ムリムリ、ぜんぜん動けない」
「…………」
「…………」
無駄多すぎやで!!
(白石遅いでっちゅーはな…し)(あーん、そこお尻!)(エクスタシー!)(エクスタシーじゃねぇよ!真面目にやれよ!)(すまん、つい)(え、なにしてるん?)((あ、謙也))(桜やんな?)(たすけてー!)(何これどっから突っ込んだらええん?)
(・∀・)最初は千歳がお相手のはずでしたが、熊本弁という壁にぶつかりました
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