彼女のいない日
今日は日曜だから、桜先輩がいねぇ。全くやる気が出ねぇ。
「あー桜先輩が恋しいッス」
「お前またその話しかよぃ、いい加減慣れろ」
丸井先輩だって寂しいくせに…!とか言ったら殴られっから言わねーけど。
「しかしなぜ桜さん、休みの日は練習に参加しないんでしょうね」
「知らんのぅ」
「俺も聞いたことないぜぃ」
「え!先輩たちも知らないんスか?」
「あいつとは中身のある話は全くせん」
あー、なるほど。しかも仁王先輩とだしな。第三者が聞いたら全く理解できねー会話してそう。
「あ、そういや実家が大阪とか言ってたぜぃ」
「え!じゃあ桜先輩1人暮らしっすか?」
「あー、言われてみればそうかもしれんの」
「なるほど、では家事が大変で休日は練習に出てこれないのでしょう」
「そうか?桜のことだし金持ってるオッサン捕まえて遊んでそうじゃね?」
「ちょ、丸井先輩何言ってんスか!桜先輩はそんなことしないッス!」
全く丸井先輩はあの女神を何だと思ってんだよ。
「うーん、言われてみれば気になってきたぜよってことで赤也」
「……なんスか」
「桜に電話しんしゃい」
「え、マジすか」
「早くしたまえ、さぁほら早く」
柳生先輩、何ワクワクしてんだよ。仁王先輩はニヤニヤしてるし。丸井先輩なんか超興味なさそうな顔してるけど全然怪しいぜ!
「………分かりましたよ」
えーっと、桜先輩…桜先輩……よし。
『はいもしー』
「あ、桜先輩ッスか?」
『んー』
「あのー、今何してんスか?」
『寝てたー』
「え、マジすか……寝てたらしいッス」
「こんな時間まで寝ているなんてレディとしてなってません!ふんっ!」
「あー先輩、今日は何か予定あるんスか?」
『予定?別にー』
「えー!じゃあ何で練習来てくんないんスかー!」
『休日は休むためにあ…ちょ、何すんのよ……プツッ』
「あれ、切れた」
「桜、なんだって?」
「なんか休日は休むためにあるとかなんとかで……何すんのよって…」
「ほう、誰かと一緒なんじゃなか?」
「ま、まさか!なんてふしだらな!」
「おい赤也、もう一回電話してみろぃ」
確かにさっきのは横に誰かいた感じだったな…
「よし!電話するッス!」
「あ、もしもし桜先輩?さっき何か切れちゃったみたいで…」
『誰やお前』
「え?あ、あれ?なんか桜先輩声が変ッスよーなんつって」
『誰やって聞いとんねん』
ぇえ!?何か超ヤバい感じの人じゃねぇかよ!これ俺殺されんじゃねぇ?いやだ!死にたくねぇ!
「ちょ、仁王先輩パス!」
「なんじゃ」
「なんか超怖い男が…」
「ほう……もしもし」
俺も柳生先輩も丸井先輩も、仁王先輩に近づいて電話からもれる声を聞く。
『チッ、何や桜になんか用か』
「お前さん誰じゃ」
『は?お前が誰やねん』
「俺は桜の彼氏ぜよ」
『は?何、え?ほんまに?あかんあかん!え、ちょ桜ー!……プツッ』
「あ、切れた」
「おい仁王、今の誰だったんだよぃ」
「なんかめちゃくちゃ怖くなかったッスか?つーか声低すぎて何言ってんのか分かんなかったんスけど…」
「まぁ誰かは分からんが、とりあえず彼氏とかそんなんではなさそうじゃ」
「なーんだつまんねー」
「とか言ってブンちゃんホッとしてたりしてのぅ」
「バッ!んなわけねぇだろぃ!俺ランニング行くぜぃ!」
「んー、ブンちゃん分かりやすいのぅ」
「仁王先輩、やっぱ丸井先輩も桜先輩のこと…」
「赤也」
「何スか?」
「俺も含めて、ライバルは多いぜよ」
「なっ!……負けないっす!」
とは言ったものの、勝てる気しねぇな…
「あぁ、なんて嘆かわしいことでしょう…桜さんには貞操観念が無いのでしょうか…私に相応しいレディになるためには桜さんの身の回りの男を一度バルスして…」
「仁王先輩…」
「あー、やぎゅーも桜んこと超好きぜよ」
うん、強敵すぎて俺泣きそう。
ライバルが多いと燃えるぜ!
(よんだー?)(桜お前彼氏おるんか!)(いないー)(ほっ)(と思う)(思うてなんやねん!)(まぁいろいろやんちゃしてるし)(やんちゃてお前…このビッチ!)(なによヤリチン!)
(・∀・)長い
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