彼女の隠し事
「おや桜さん?」
「っ!!」
ヤバい。この人が姑だったら絶対に嫌だコンテストがあったら確実に1位を取ると思われるやぎゅーだ。ちくしょう、やっぱ逃げるしかないか…
「何をこそこそしているのですか?レディーたるもの…あ、どこへいくんですか!」
「今日朝練行けないって言っておい……あ」
「おはよう、どこに行くのかな?」
「ゆ、幸村くんおはよう…えっと…」
うわーヤバい。まさかここで幸村くんに見つかるとは…!いや、けど今なら逃げれる!
「つーかまーえた!」
やぎゅーマジでうぜぇ!空気よんで天空の城でも行ってろ!
「柳生、黙ろうか」
「幸村くんに邪険に扱われました………比呂士ショーック!」
「桜、詳しいことは部室で聞くから行こう」
「う、うん」
「みんなおはよう」
「……はよー」
幸村くんの挨拶に続いて挨拶すると、赤也がくいついてきた。
「はよっス!…って桜先輩どうしたんスか?」
「えーいや…」
「何か事情があり朝練をサボろうとした確率100%」
蓮二もなかなか余計なことを…!大正解だこんちくしょー!
「何っ!おい桜!たるんどる!」
「ひっ!たすけてー!」
やだやだ!真田ったらすぐ殴ろうとするんだもん!殴るならジャッカルでも殴ってればいいのよ!って思ってジャッカルを盾にしてみた。
「う、おま、俺を巻き込むな!」
「ねぇ真田、朝練始めといてくれない?」
「む、しかし桜に制裁を…」
「朝練、始めといてくれない?ジャッカルもさっさと行けよ」
「「いえす、ボス!」」
…良かった。幸村くんのおかげで助かった…!てか制裁ってなんだよ!怖いよ!
「さて桜、さっきから隠してるそれは何かな?」
「うっ!えっと…」
さすが幸村くんだ。そっと逃げようと思ったのに。何か隠してるってのまでバレ…ん?
「あっ…ちょっと…!」
「にゃんこじゃ、ほれ」
「ああ!子猫ちゃん!」
仁王ムカつくー!なんだよチクリー!そうやってまた幸村くんの点を稼ぐんだこんちくしょーは!
「猫って桜…」
「幸村くんお願い!この子猫ちゃん部室で飼っていい?ちゃんと毎日お世話するから!お願いお願いお願い!」
「………桜、ちょっと待ってて。蓮ニ集合」
神の子、参謀とないしょ話中
「精市、どうした?」
「ちょっとマジであの上目使いやばいんだけど!俺超キュンキュンしたんだけど!桜マジで可愛すぎるんですけどー!けど俺ぶっちゃけ猫嫌いなんだよね……桜にダメって言ったら絶対泣くよねアレ!どうしよう!どうする?俺!」
「落ち着け精市、俺に任せろ」
「すまない蓮二、苦労をかける…」
「桜、お待たせ」
「幸村くんおねがい…」
さっき仁王を蹴ったら、謝りながら教えてくれた。幸村くんは私のお願いに弱いらしい!
「ぐっ…!」
ほほー!効き目ありだわほんとに!よし、押しまくる…
「桜」
「蓮二…、なに?」
「その子猫はどこで拾ったんだ?」
「倉庫の裏から鳴き声が聞こえて、行ったらいたの」
「ふむ、2週間程前に学校を縄張りとしている野良猫が子猫を産んだらしい」
「え、てことは…」
「おそらくその子猫で、親猫はそれを探しているだろう」
「じゃあお母さん可哀想じゃん!」
私ったらなんてことをー!この子猫ちゃんもお母さん猫ちゃんも超かわいそうだ!
「桜、精市と一緒に返してこい」
「うん、そうする!行こう幸村くん!」
「ああ!……蓮ニ!サイコーだよお前!」
「ふっ、容易いことだ」
頼れる参謀と頼る神の子
(あ、あれお母さん猫っぽい)(にゃーん)(あ…行っちゃった…)(桜、またいつでも会え…)(うわーん!猫ちゃーん!)(くっはぁ!泣いたー!だがそれもいいー!)
(・∀・)はっはっは、いよいよキャラが…
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