記憶の欠片
不 安 *
あの黒髪の男に会ってから、頭痛が酷い。
断片的な情景が、私を襲う。
刀を振り上げられ、殺されそうになる私。
逃げ惑うが捕まりそうになる私…
誰にかはわからない。
何故、私が狙われているのかもわからない。
いつも悲鳴を上げて起きる私を案じてか、高杉が横にいてくれるようになった。
そして。
不安を埋めるように肌を重ねる。
「…晋助さん」
情事後のだるい身体を起こし、片膝を立て煙管を銜え、窓際に座っている高杉を呼ぶ。
返事はしないが、視線を向けた高杉に、私は呟いた。
「こっち、来て下さい」
「…まだ足りねーのか?」
ニヤリと口の端をあげて笑う高杉に、私は頬を赤くして俯く。
高杉の唇が私のそれに押し付けられ、口腔内を舌が蠢く。
音を立てて離れると、高杉が猛っている己を私の口に押し付けた。
「イかせろよ」
低い声音にドキドキする。
舌を使って頑張っているものの、うまくできない。
苛ついた高杉が腰を打ちつけた。
「うぐっ」
喉を突かれ、咽そうになる。
涙目で見上げる私に、高杉はにやついた。
「そんなんじゃイかねーぞ」
「も、無理…」
「千咲」
私の頬を撫で、己を引き抜いた高杉が私を背後から犯す。
「あんっ!や…っ!…」
再奥を打ち付けられ、私は声を上げて達した。
それでも尚、達していない高杉は打ち付ける。
あまりの衝撃に膝が立たず、私の腰を抱えて持ち上げる。
「も、やめ…やぁーーッ!!」
胸の突起を抓られた。
それと同時に、高杉が強く突く。
ドロリ。
空虚感と共に、太股を流れる温かい液体。
うつ伏せたまま、私は手を伸ばして、ティッシュケースを探す。
「ひゃっ!…」
高杉が、私の太股に舌を這わしていた。
「や、晋助さん、いいですからっ」
それだけで、感じてしまうのに…
仰向けにされ、膝を立たされた私の秘部に吸い付く。
「やぁ…っ…」
ズズッと音を立てて啜り、その音に私は耳を塞ぎたくなる。
離れた高杉が、唇を重ねると、口腔内に苦い味が充満した。
ゴクリ。
喉を鳴らす音に、高杉が満足そうに笑う。
「どうだ。俺の味は」
「苦い……」
「いずれ慣れる」
くくっと笑った高杉は、私に布団をかけると、また窓際に座る。
その様子を見ながら、私は目を閉じた。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!