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しかし、立ち上がろうとしても足に力が入らない。
「やだ…、動いて…!」
震える自身の足を必死に叩いてみるが、意味がない。
男が更に近づいて来る。
架恋は動けない体で、男が自分のすぐ傍まで来るのを見ていた。
ついに架恋の目が、男の顔をとらえた。
「っ…!!」
そして、思わず言葉を失った。
――驚くほど美しく整った顔。
闇夜に輝く銀の髪。
そして、見る者全てを惹き付けるかの様な……
紅い瞳。
それはまるで、血の色だった。
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