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「!!」

突然、後ろから聞こえてきた人の声に、架恋は肩を揺らし過剰に反応した。

そしてゆっくりと振り返った。

暗くて相手の顔は見えない。

聞こえた声は低く、どうやら若い男のようだ。

気配で段々こちらに近づいて来るのが分かる。






だれ……?








男が、架恋の近くまで来た。

未だに顔は見えないが、背丈がかなりある。


男が口を開いた。

「貴様、ここで何をしているか答えろ」

何ともいえない、低く威圧感のある声だった。

「え…と、…」

男の纏う只ならぬ雰囲気に架恋はただ怯えた。


そして何も答えない架恋に痺れを切らしたのか、男は言った。

「答えないのなら…殺す」

「っ!?こ、ろす…?」

紡がれた言葉の、あり得ない単語に恐怖が増した。

「っ…!(何…、この人…いきなり殺すって……!)」

架恋は恐怖のあまり、地面に座り込みながら、カタカタと震えている。



――逃げなきゃ…!!

本能が架恋にそう告げた。


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