7
「っ……!」
光に触れたと思ったらあまりにも眩しくて、架恋は思わず目を瞑った。
「ん……」
徐々に視界が慣れてくる。
架恋はそっと、目を開けた。
「え……?」
目を開けた架恋が最初に見たのは、木。
たくさんの木。
そして空に浮かぶ月の光が夜の闇を照らしていた。
「ここ、何処…?」
見る限り、森らしい。
「何で…森なの?」
架恋は唖然として、その場に座りこんだ。
「えっと…、さっきまで星見てて、帰ろうと思って…そしたら…暗くて…で、光があったから……」
そして森。
訳が、分からない。
「どうしよう…。帰らなきゃ」
困惑する頭でそう呟いて立ち上がろうとした、その時。
「――何をしている」
背後から、低く、艶のある声が聞こえてきた。
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