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黒しか見えない。









無限に広がる暗闇の中を、泣き出しそうになる気持ちを必死に堪えて、架恋は恐る恐る歩きだした。



――地面は、ある。

ただ、見えないだけ。

「一体何なの…?」

ゆっくり、ゆっくり前と思われる方に向かって歩く。












どのくらい歩いただろうか。

架恋の不安は増すばかりだった。

「も、やだ……」

まるで、終わりのない道を歩いているかのようだった。

極度の緊張と不安で、ついに架恋はへなへなとその場に座りこんでしまった。














「あ…っ!」

架恋が座りこんだ瞬間、その瞳が光をとらえた。

それはとても小さな光で、それでも今の架恋には十分な灯火だった。

(ここから出られる!)

架恋はその光に向かって走りだした。



光がだんだん大きくなる。

近くなる。


――もう少し……!






そして、大きな光が架恋を包み込んだ。


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