3
「意味が、分かりません」
架恋は勇気を出してそう言った。
男は一瞬顔を険しくさせ、刹那、架恋を押し倒した。
「きゃっ!」
そして、架恋の両腕を自身の片手で掴むと、頭の上で拘束した。
あまりにも手際の良い男の行動は、架恋に悲鳴を上げる暇も与えなかった。
押し倒され、両腕を拘束された架恋は更に恐怖を感じた。
「…っ、離して!」
それでも、出来る限りの虚勢をはった。
でもそれは所詮ただの強がり。
身体はみっともない程震えている。
無駄な抵抗を見せる架恋に男は言った。
「意味が分からないだと……? ならば教えてやる」
男が微かに、冷たく微笑んだ。
「良い声で鳴け」
だけどそれはとても残酷な笑みだった。
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