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夢と現実の間、まどろむ意識の中に私はいた。

目を開けたいのに、瞼が重くてそれが叶わない。

身体もあちこちが鈍く痛むし、鉛のように重かった。


このままもう一度眠ってしまおうと思った時、足音と気配で部屋に誰かが入ってきたのが分かった。


(だれ……?)


重い瞼を開けることが酷く億劫でしょうがない。

誰かが近付いて来ていることが分かっていても、目を開けることが出来なかった。



“誰か”は、私のすぐ傍までやってきたようだった。



暫くの静寂。













そして、唇に柔らかな感触。



優しい、キス。




触れるだけのそれに、何故か愛しさが込み上げた。











すぐに離れていったぬくもりが誰のものなのか、それを確かめようと思う前に私の意識は再び眠りの世界へと堕ちていった。

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